第72章 残りの結婚休暇の使い方 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
レストランを後にして
オーベルジュのスタッフが
あっちまで送迎するので
送迎車を表に回して来るまで
中のラウンジで待つ様に告げられたが
そのままラウンジではなくて
みくりは玄関の自動ドアを出て行って
「お盆が過ぎて、
一気に秋めいて来た感じだね」
涼しいと言うまでには及ばないが
過ごしやすい気温になって来ていて
酔って火照った頬に夜風が心地いい
「結局、ひとりで全部飲んだんだなボトル」
「誰かさんが、ひとりで飲めって
言ったからです~だ。でも
飲みやすい、ワインだったし、白の
結構ライトボディだったから」
飲んでも顔は赤くはならないが
火照りは感じてるのかパタパタと
みくりが自分の手で扇いでいて
入口の正面に付けられた
送迎のリムジンに乗り込む
横並びになって座れるシートだから
隣同士に行きと同じ様に座るが
心なしか気のせいじゃなければ
かなり距離が近い…気がする
いや 近いと言うよりは
隣同士にピッタリと寄り添う様に座って居て
「ねぇ…、杏寿郎も結構飲んでたでしょ?
まだ、余裕…ありそうな感じだけど。
あっち、戻ってからまだ飲む?
だって、まだこんな時間だよ?」
時間はまだ9時前位だが
「何だ?奥さんは自分が酔ってるのに
俺が、酔って無さそうだから不満なのか?」
「折角…、珍しく私にしては。
いい感じに酔ってる…のに?」
その いい感じに酔ってる時だけの
いつもとは違う みくりの声色に
一瞬ドキッとしてしまった
ツンツンとみくりが
杏寿郎の膝の少し上の辺りを
指先でつついて来て
「杏寿郎は?」
「ん?俺か…、俺としては
酒に酔うんじゃなくて…、
珍しく酔ってる奥さんに酔いたい所だがな」
「私だけ、お酒に酔わすだけ
酔わせて、そのままなの?」
普段の声にない 色気を感じる
合間に漏らす 吐息も
俺の全身に絡みつく様な
その視線も何もかもが性的に感じる
一言で言えば いやらしいのだ
その膝の所から みくりが
つつ…と指先を滑らせて
太ももの辺りにまで撫でつけて来るが
際どいと言う程の部分までも
その指を進めて来る事も無くて
「あれだけ飲んでも、酔い足りないか?」
「酔うのは、お酒じゃない方ね」
スルッと両手の平でみくりが
杏寿郎の頬を撫でて来ると