第71章 残りの結婚休暇の使い方 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「あ、ああ。それは別に構わないんだが。
天井と壁の上の方だけでいいのか?」
「うん、お願いしてもいい?
あ、そうだ、杏寿郎。さっきね
成瀬さんと電話で話してたんだけどさ。
杏寿郎がね、予約してくれてた浜名湖の
宿泊施設ね、成瀬さんの経営してる所らしくてね」
「中条市に、水無瀬島と
天橋立だけじゃなかったのか?」
「いや、私も知らなかったんだよ?
成瀬さんが浜名湖の方にも
グランピング作ってるって」
みくりが自分のスマートフォンに
成瀬さんが送ってくれた
先月にオープンした方のグランピング施設の
HPを開いて杏寿郎に見せると
「それでね、成瀬さんがね。
先月にオープンしたばっかりの
こっちのグランピング施設に宿泊しないかって」
そう言いながらこちらからの
返答を待って居るので
あの人の世話にはあんまり俺としては
正直な所なりたくはないんだが
前にみくりは天橋立にある
青いドーム型のテントに泊まりたいと
言って話をしていたのを思い出して
「君のその顔を見れば分かる」
こっちがここに泊りたいオーラを
出していたのを杏寿郎に
悟られてしまって居た様で
「これね、前に青いその天橋立の
グランピング施設がね出来た時に。
こんなのあったら、いいよねぇって
話したのが丁度コレ…な感じでね?」
自分がこんなテントに泊まりたいと
成瀬さんに意見を出して
それを現実にしたから
泊まりに来いとあっちは言って居て
自分がこんなのに泊まりたいって
意見を出したぐらいなんだから
みくりとしても
興味を惹かれてるのはわかる
「夏休みだけど、週末じゃないからって
コロナの感染拡大でね
そのテントの、キャンセルあるらしくて」
そう期待を込めた目で見られて
断わるのも忍びないし
俺がこれを承諾すれば
男としての威厳は保てないのは痛いが
俺の彼女の旦那としての株は上がるのか
その二つを自分の頭の中で
杏寿郎が天秤に掛けて
俺が承諾した場合と断った場合の
リアクションもシュミレーションしてみる
「分かった。君のその話、飲もう」
「いいの?予約してくれてたのにごめんね?
そっちも成瀬さんの所だから、
そっちのアップグレードでもいいよって
成瀬さんは言ってたんだけどね?」
元々予約してた方もあの成瀬さんの
経営してるホテルなのなら一緒だしな