第70章 秘密の個人授業 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ高校生
「…ーーっ、そいう言うのを、
先に言って欲しいのですが?」
そう自分の額に手を当てながら
杏寿郎がこちらに言って来て
自分の背に乗るように促して来るから
「いや…、そう言う意味ではなくて…だな。
その辺で、絆創膏でも買って来てくれれば」
「先生をここに、決して短時間でも。
俺が、一人にして置けませんから。
文句でもお説教でも聞きますから、
早くして貰えませんか?」
私がそれを渋ったから
そうしやすい体勢のままで
杏寿郎を待たせていたので
若干イライラした様子でそう言って来て
「いい…のか?煉獄」
「俺が、そうしろと言ってるんですが?」
ーーーーーーとまぁ
こんなやり取りが
私と煉獄との間にあって
私は今 彼におんぶされて
家まで運ばれているのだが…
徒歩圏内とは言え…ど
それなりに距離があるので
「なぁ…、煉獄。重くないか?」
別に私は太っても居ないが
スレンダーな方でもないし
良くも悪くも普通な体格だから
決して軽くは無いのだが…
「重いと言ったら、怒るでしょ?
まぁ先生の性格なら、
軽いと言っても怒りそうですが」
「知ったような…事を言うんだな、煉獄」
そう言いながら
その背中に自分の顔を押し付ける
「まぁ、…それは…何となくには。
でも、いいんですか?先生。
俺に、家、知られちゃいますよ?
どうするんですか?毎週、週末に
押しかけるかも…知れませんよ?俺が」
「送ってくれるつもりだったのにか?
ただ、私を家まで
送るだけ送り届けて、帰るつもりか?」
「あまり俺を、その、
煽らないで…頂きたいのですが?
その気があると、解釈しますよ…俺は」
今まで散々 押して来た癖に
いざとなると 戸惑うのかと
その彼の心の葛藤を垣間見てると
やっぱり どこか大人びて見える彼も
高校生なんだなぁと思ってしまう
ぴと…と その背中に
自分の身を寄せる様にすると
「まだ、心細い…と言ってもか?
お前が言ったんだぞ?煉獄。
さっき自分が、言った事も忘れたのか。
お前の事を…、頼ってもいいんだろう?
それでも…、帰ってしまうつもりなのか?」
口調こそはいつも通りだが
そんな心細そうにしながら
甘えた様な声で言って来るのは
ズルいと思う…
「落ち着くまで…だけなら…ッ」
私の心細いも
彼の落ち着くまでも
それは ただの