第70章 秘密の個人授業 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ高校生
くすっ…と 杏寿郎が小さく笑うと
「いや、訂正しておきます。
俺はやっぱりズルいかも知れませんね?
先生。だから…貴方は俺に
許さなければいい。拒み続ければいい。
みくり先生、貴方が今まで
俺にそうしてた様にして、そうすればいい」
そう言って来て 浮かべている表情は
高校生のそれではなくて
私に対して 言って来るその言葉は
どこまでも どこまでもに
ズルい感じでしかなくて…
こんなの…勝てる気がしない……し
全く持って して来ない…から
ちょん…と 今度は人差し指の先で
みくりの唇に杏寿郎が触れて来て
その人差し指の腹で
唇に圧を掛けて軽くにだけ押して来るから
「さっきみたいに、俺の身体…
押し返さないんですか?先生」
こっちが抵抗を出来ない事を良い事に
その顔を近付けて来るから
「ずっ、…ズル…いって、言ってるの…にッ。
あんな風に…、言われちゃったら、私はッ」
「どうしていいのか、分からない?
だから、さっき俺が言ったみたいに
すればいいでしょう?みくり」
許さなくていい?
拒み続ければいい?
やっぱり ズルい どこまでズルい
もう そんな事なんて…到底
私には出来るはずもなくて
「俺は、先生…って付けてませんよ?」
「うっ、五月蠅いっ。
お前は卑怯な事しか言えないのか?」
「そうそう、そう言って貰わないと」
否定されているのに
どこか嬉しそうにそう言いつつ
更に顔を近付けて来て
「…っ、そ、それは、…ダメ…」
キスをしようとして来る
彼から顔を逸らせるが
「そんな顔をしてダメと言われても、
してもいいと言ってるのと同じですよ?
嫌なら、張り倒すでも蹴り飛ばすでも」
「そんな事、出来る訳ないだろう?」
「ダメじゃないですか…、先生。
嫌ならちゃんと、拒まないと」
そんな風に耳元で囁かれて
いつもより低く響くその声に
自分の身体が反応してしまっていて
拒めるはずもなくて
そのまま 杏寿郎のキスを受け入れる
ほんの軽くにだけ 触れるだけのキスをして
触れていた時間も ほんの僅かでしか無くて
触れただけのキスが 終わるのが
惜しいと…感じて居る自分が居て
自分の顔を見つめている
杏寿郎と目が合って
そのまま 再び キスの予感を感じて
瞼を閉じて そのキスを…