第70章 秘密の個人授業 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ高校生
「その、…大の大人が、
恥ずかしい話なのだが…な?
終わったと思ったら、
腰が抜けてしまった様な…んだ…」
「もう…いいですから、そう言うのは」
そう呆れた様にして煉獄が言って来て
「教師だからとか、大人だからとか
そう言うの、いいって言ってるんですが?」
教師だから教え子の前で
こんな姿見せられないとか
大人だから子供の前で
弱音を吐いたり出来ないだとか
模範的な行動を取らなければと言う
その行動を 自分の前で
しなくてもいいと言われてしまって
「れっ、煉獄…ッ、ずっ、ズルいぞ…?
今、このタイミングで、それを言うのはズルい」
「何とでも言って下さい。先生。
どうせ、俺はズルい奴なんで…ね」
そう言って こちらからの返事を待たずに
煉獄の胸に顔を埋めさせられてしまって
後頭部を支えらえれて
そのまま押し付けられてしまう
「…、………っ…、…」
声を殺して押さえているが
その身体が震えているのが分かるので
教師として教え子を守らなければと
行動を起こしたまでは良かった物の
先生自身は とても怖かったのだろう
三柴が居る前で それを口には出来ないだろうし
気丈にふるまって
事後処理もしていたが
それを終わらせて 一気にどっと
それが表に出て来たんだろうけども
よしよしと後頭部と
その震える体の背中を撫でてやる
「…ッ、煉獄…、これは…その」
「誰にも言うな…ですか?良いですよ。
先生、その代わり、顔…見せて貰っても?」
そう言って 自分の胸に埋めさせていた顔を
今度は手を顔に添えて来て
上に向けさせようとして来るから
彼に今の顔を見られまいとして
そのまま拒むようにして顔を逸らせる
「先生…、今の、先生、
貴方の顔を…見せて下さい俺に」
「やっ…やめて…くれないか?煉獄、
今の顔を…ッ、お前に見せる訳には…ッ」
顔を逸らして 目を閉じていても
彼からはこちらの顔は見えてるのだから
私が…泣いているのは 分かってるだろうし
その証拠に 顔に添えられていた
煉獄の親指が
目から零れている涙を拭って行って
「…れ、煉獄…?」
そのこちらを労わる様にして
触れて来るその指先の温かさに
思わず 彼の方を見てしまっていて
その指先と同じ様に
こちらを労わる視線を彼から感じてしまうと
ぎゅっと胸の奥が締め付けられる