第70章 秘密の個人授業 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ高校生
男が3人か…
車は無さそうだな
この辺りは昔ながらの街並みで
車を停めて置く様な場所が無くて良かったが
『そうなんだ、意外~』
『じゃあさ、好きな人とか居るの?』
「そっ、それは…居…ますけど。
その人には、
好きな人が居るって…フラれたんです」
そうだったのか 三柴の好きな人
いや今はそんな事を言ってる場合じゃないが
「さっき、見ちゃったんです。
好きな人が、来てて。一緒に居る人が
そうなのかなって…、思ったら
見てるのも辛くなって…。
その場から走り出してしまってて」
『で、迷子になっちゃったんだ~。
大丈夫、大丈夫。お兄さん達が
ののかちゃんの事さ、慰めてあげるし?』
グイっとその腕を掴んで
嫌がる三柴を無理やりどこかへ
引っ張って行こうとする
自分のポケットのスマートフォンで
煉獄に電話を掛けて
そのスマートフォンを懐に入れた
「悪いが、そこのお三方。
その子から手を放して貰いたい。
三柴はうちの生徒だからな、
未成年者だぞ?」
『誰だよ?アンタ、何でこんな所いんだよ?』
『見られたんだ、コイツも
一緒に連れて行くしかねぇし』
「今から、花火を観る予定なんでな。
三柴から手を放してくれないか?」
みくりの言葉に
3人組の男が顔を険しく歪ませる
「何だ?日本語も理解出来ないのか?
三柴から手を放せ…と私は言ってるんだが?」
一人の男に三柴が腕と口を掴まれていて
『3対1で何が出来る訳?』
「何が出来る…か、そうだなぁ
ちょとした時間稼ぎ…だな」
『さっきから邪魔ばっかり
してくれてんじゃねぇかよ、
ブスは引っ込んでろ!年増に興味ねぇんだよ』
まぁ予想通りに三文芝居だなと
こんな時に冷静になっている自分が居るが
頭は驚く程に冷静だが
どうにも身体は正直だ
膝震えてるな コレ
けど 経験者じゃなくて助かった
これで3人の中のどれかが
経験者なら私一人じゃ止められないしな
三柴の親御さんに顔向けが
教師として出来なくなる所だったな
と言っても 実戦の経験が
ある訳でもないんだが…
校内の不審者対策の訓練なら
さすまたがあるんだがな
普段は邪魔な長物だが
今ほどそれが欲しいと思う事はないな
だが 講習は受けた
さすまたが無い時に
校内に不審者が侵入した時の対処法