第70章 秘密の個人授業 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ高校生
「先生、今日はお世話になりますね」
ニコニコとカナエが笑顔を
こちらに向けて来る
「先生は、眼鏡を
なさらない方がいいのでは?」
口が素直な妹のしのぶの方は
思ったままの感想を述べて来て
皆でワイワイと談笑して
言いだしっぺである煉獄が来るのを待つ
「不死川~、煉獄は?遅れんの?」
「あん?俺が知ってるわけねぇだろうが。
俺に、アイツにLINEしろって意味かよ。
わぁったよ。LINEすっし」
宇髄の言葉に不死川がスマホを取り出して
LINEを煉獄に送ろうとしていた時
「ん?もう揃ってたのか?
すまない、遅れてしまっただろか?」
そう言って遅れて来た煉獄も
浴衣でと言い出しただけあって浴衣姿で
宇髄の浴衣も宇髄にしか着れないと
そう思って居たが
煉獄の浴衣も煉獄にしか着れないな
半分の身頃は縞柄で
もう半分は無地で
袖と襟でそれが切り替わる
中々に着る人を選ぶ柄の浴衣だった
降ろしている髪を
後ろでひとつに束ねあげていて
いつもと違った印象を受ける
「いんや~、今、丁度時間だから
全然、セーフっしょ?んじゃ、
どうする?その辺、ブラブラする?」
有料でグランドの隅にある
ヘリコプターと気球に乗れる様で
まばらながらに行列が出来ていた
今年は3年ぶりの開催だが
出店の数を半分以下にして
店の間隔を大きく開いて
飲食をする備え付けのテーブルには
アクリル板と消毒液が備えられていて
焼きそばの屋台の男性も
フェイスシールドを装着している
宇髄が歩き出したのに続いて
ぞろぞろと祭りの会場を見て回る
見て回る時は良いとして
花火がなぁ どうしても観覧席は
広めに取ってあると言えど
私が考え後をしながら
最後尾を歩いていると
煉獄がこっちに歩く速度を合わせて来て
「先生、本当に
浴衣で来てくださったんですね。
先生は、コンタクトだと
大分雰囲気が違って見える。
俺等と同級生でも通りそうですね」
「お前も、その浴衣は
誰にでも着れる物じゃないし。
その髪型も、浴衣に合ってるな」
ちらっと煉獄が前の集団が
こっちを気にしてないかを確認すると
「俺としては、ふたりだけで…
お誘いしたかったんですが。
俺とふたりきりだと、
警戒されてしまいそうでしたので」
その言葉に煉獄の顔を見ると
二ッとこちらに笑顔を見せる