第70章 秘密の個人授業 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ高校生
意外な言葉だったのかも知れないが
「どうかしたのか?煉獄…」
「いえ、先生も今夜の花火、
楽しみ…だったりとかしたり?」
「花火が嫌いな、日本人がいるか?」
そうみくりが答えると
そのまましばらく無言で見つめ合って
「………」
「…………」
「……居ない様に…あります」
時間を置いて煉獄からの返事が買って来て
「煉獄。花火の目的は何か知ってるか?
本来の花火の目的は鎮魂だ。
日本で初めて花火大会が行われたのは。
1733年。享保の大飢饉と疫病、
コレラが大流行したんだ。」
「享保…と言うと、江戸時代の中期。
日本で初めて花火大会を開催したのは。
8代将軍、徳川吉宗ですか」
ホワイトボードに向いていた身体を
杏寿郎の方に向けて
にっとみくりが笑顔を向けると
「これが今の隅田川の花火大会の起源だな」
「先生」
「ん?どうかしたのか?煉獄」
「その大変申し訳ないのですが」
「どうしたんだ?改まったりして」
言い出しにくそうにしいてる
杏寿郎の顔を見て
みくりが首を傾げた
「先生。ちょっと、お手洗いに
行ってもいいですか?」
その煉獄の言葉に夢の内容が
一気に脳内を駆け巡ったのは
1秒にも満たない時間の事で
「いやっ、ダメだっ!!
お手洗いは、…あ、いや、すまない。
私とした事が、行って来い」
そう言って杏寿郎が
教室から出るのを見送る
あれは夢なんだ
私はガーターベルトなんてして居ない
そうあれは 夢 只の夢なんだ
みくりが自分の頭を押さえながら
はぁーーーっと深い深いため息を付いた
私は何を考えているんだ
教員たるもの学び舎で教え子と
あの様な淫らな行為に耽る夢を見るなんて
「それも、これも全部…ッ」
「俺の所為…ですか?先生」
いつの間にか煉獄が戻って来ていて
自分の後ろに気配もなく立っていたから
いや でも鍵を落とす音がしなかった
「れっ、煉獄、この部屋の鍵は…ッ」
「鍵ですか?鍵も何も
今はコロナの対策で窓やドアは
開いたままにしとくんじゃなかったでしたか?」
鍵を閉めるどころか
ドアも開いたままだとそう指摘されて
「窓が開いてるのに、鍵を掛けても
意味がない様にありますが?
先生が掛けろと言うなら掛けますけど?」