第17章 夏の空の落とし物 前編 お相手:竈門炭治郎
魂が地獄に囚われちゃうんだって
美空を 止めなくちゃいけないのにっ
でも 身体が動かない
私の身体なのに 言う事利かないし
ー「炭治郎君、助けてっ!!!」ー
そう声にならない叫び声を
みくりが上げた時
どこからか影が前を過ぎて
その次の瞬間には
男達が地面に倒れていた
そこには炭治郎が立っていて
こちらの方を向き直ると
「大丈夫ですか?
みくりさん…えっと」
じっと私の目に注視して
炭治郎がこちらを見ていて
「今は、みくりさん…ですよね?」
そう確認を取って来て
「あ、ああ、そうみたいっ……、
あの、炭治郎君。私、彼女の、美空の事で
…炭治郎君に話したい事があってね」
思いつめた様子だった
それは表情からも
匂いからも俺には分かっていて
「っと、その前に。
そこの二人を警察へ付き出さないと」
「え?警察に、…ですか?」
そう言って炭治郎が手刀を打って
気絶させた2人を浴衣を着つける時に
使う紐でみくりが縛り上げると
一人を担いで もう一人を炭治郎に
荷物でも運んでと頼むかのようにして
担がせるとそのまま歩き始めた
「移動、しながら話すわね?」
「みくりさん、足、大丈夫なんですか?」
「大丈夫、絆創膏、貼ったから。
彼女、事故で死んだんじゃないみたい……」
「え?それは……どう言う意味ですか?」
真剣な表情でみくりが
炭治郎の方を見て居た
「正確に言うと、殺された…みたい。
このふたりに…ね」
みくりさんが 美空の
記憶を垣間見たんだと話してくれて
「その話が、真実なら…この二人は
然るべき、処罰を受けるべきです、人として。
すいません、俺、この二人が
そんな危険人物だとは知らず、美空の事も
みくりさんの事も危険な目に……」
このふたりに
何度もそんな風に女性をたぶらかして
乱暴をして来た経歴があるのであれば
さっき俺が みくりさんの元を
その時は 美空ではあったのだが
離れていた時に
声を掛けられて居たのだから