第70章 秘密の個人授業 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ高校生
しまった…ッ
補習中に居眠りをしてしまって居たっ
みくりが目を醒ますと
こちらを見てニコニコと
満面の笑みを浮かべている
杏寿郎と目が合って
自分のスマートフォンを指差してるので
画像をその中に収められたのではないかと
一瞬にして寝ぼけていた脳が覚醒する様な
そんな感覚を感じて居ると
「ここには俺と、先生しか居ないが…
教師たるものが補習中に居眠りは
流石に、マズイですよね?」
そう私の寝不足の原因の張本人が
こちらに対してそう言って来て
「煉獄、確かに私が勤務中に
居眠りをしたのは、マズいが、
煉獄がしようとしている事は脅迫じゃないのか?」
「脅迫と言えば、脅迫かも知れませんが。
先生はどうなんですか?好きでも
何でもない相手と、結婚出来る物なのか?」
「煉獄、お前は何を勘違いしてるのか
知らんが。確かにお前の言う通りに
私はその相手の事は、教師だと
言う事以外は何も知らん」
「だったら、教師になればいいのか?俺が。
貴方に肩を並べて、先生、貴方に
そう見て貰える様になりたい…ッ。
もっと、後5年、いや…3年でも
早く生まれていればと…か、そんな事を」
そんな非現実的な事を
あの煉獄が考える…のか?
「…煉獄…?お前…自分が
言ってることの意味が…ッ、分かって」
「現実が見えて、分かってるからこそ
俺は、こうなってるんだ!」
「…ッ、煉獄…分かっているのなら…ッ
これ以上は、踏み込むな。
それは、お前の為だし、私の為だ」
真っすぐに向けられて居る
真夏の太陽の様な熱い
彼の双眸に捉えられて射貫かれて
身じろぐ事すらも出来ずに
「何もかも無かった事にしたい…と?」
「今なら、まだ…何も」
間違いは起きてないのだから引き返せる
傷らしい傷を リスクらしいリスクも
お互いに負う事はないのだ
教師の中の一人と
生徒の中の一人の
今まで通りの関係に戻るだけだ
今までがそうだった様に
杏寿郎が俯くと
首を小さく左右に振りながら
ふぅっとため息を付いた
「先生はあまり、俺を
お分かりでは無いようだ。
貴方が想像してる以上に、俺は手遅れですよ?」
今回の赤点の事と
さっきの画像で脅迫して来た事も
「煉獄…、だが」
「なら、せめて…、時間が欲しい」
時間が欲しいと言われてしまって
時間?いつの時間?