第70章 秘密の個人授業 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ高校生
「今は、私に集中してくれないか?」
「そんな事を言われずとも、俺はッ」
そのまま勢いで返そうとして
待てと思ってその先を言うのは踏みとどまった
「と言いたいが、私じゃなくて
こっちに集中だぞ?煉獄」
そう言って みくりが
杏寿郎の前に1枚のプリントを置いて
それが小テストの問題用紙だと気が付いた
「小テスト…」
「お前に補習を長々しても無駄だからな。
小テストを充実させて置いたぞ」
と言うのは眠れなかったから
ついつい暇に任せて 今日の小テストを
盛沢山にしてしまっただけなのだが
「これ…、普通の試験並みじゃないですか」
「ん?そうか?お前には簡単すぎる内容だ。
確かに問題数は多いからな。
だから、補習の時間を少な目にして
今から、テストを始めるぞ?」
問題数こそ多いが
内容は元々の試験で
出すぞと何度も
強調していた場所ばかりだから
小テストに取り組む杏寿郎が
回答用紙に回答を記入してるのを
しばらく傍で眺めていたが
ペンを迷わせる様子も無く
すらすらと回答を記入して行くので
最初の試験の赤点がわざとなのは
今の煉獄の様子を見ていても
みくりにもそれは分かる事でしか無くて
自分の座っていた椅子に腰を降ろすと
連日の寝不足の所為か
自分でも意識がまどろんで眠気が
急に襲ってくるのを感じて
つい ウトウトとそのまま眠ってしまっていて
杏寿郎が小テストの
回答用紙を埋めて顔を上げると
椅子に座ってウトウトとしている
みくりの姿が目に入って
補習中に先生が居眠り…
恋愛趣味レーションゲームとか言う
ジャンルのゲームには
こんなイベントがあるのかも知れないが
こうして眠っている顔を見ていると
年齢よりも若くあどけない顔に見える
音を立てない様にして杏寿郎が
座っていた椅子から立ち上がると
もっと近くで見て見たいと思ってしまって
起こさない様に近付いて
その顔を覗き込む
「随分と、あどけなくて
可愛らしい寝顔なんですね。
幾ら、寝不足が続いたとは言えども
俺に、隙を見せすぎるのは良くない」
そう囁きかける様に言うと
んんっ…とみくりが顔を顰める
起きるのかと思いきや
そのまま すぅすぅと
穏やかな寝息を立てているので
キスのひとつでもしてやろうかとか
そんな気持ちになってしまわなくも無いが