第70章 秘密の個人授業 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ高校生
瑠火が餃子を焼いている間に
山盛りのご飯を茶わんに自分でよそうと
千寿郎にも白ご飯はどうだと尋ねて来て
今は自分が炊飯器の前に居るから
兄さんはそう聞いてるんだろうけど
昼食を済ませて
それぞれに自分の食器をシンクに運んで
軽く洗って食洗器に並べる
「俺は部屋で勉強するから」
そう言って早々に杏寿郎は
自室に籠ってしまって
千寿郎が瑠火と顔を見合わせる
「兄さんがあんな、成績を取るとか
今まで無かったし、心配なんだけど…」
杏寿郎の部屋のドアを見つめながら
表情を曇らせる千寿郎の肩に
瑠火が手を添えると
「心配は要りませんよ、千寿郎。
杏寿郎のあれは、わざとだと
母は知っておりますから。杏寿郎が
どうしてそれをしたかと言う事も」
「母さん?」
千寿郎の心配は無用だと
話して来る瑠火の表情はどことなく
嬉しそうな感じだったが
「杏寿郎も、男の子だと言う事です」
「…?」
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みくりは家に
この夏季補習の追加試験の問題用紙を持ち帰って
机の上に置いてそれを眺めていた
後 3日
3日しかないのだ
問題用紙と向き合っても
目から入ってはいても
脳にまで入って来ない
見合いの話を断わるからと言って
あの煉獄が納得をするとも思えない
だからと言って逆に
その話を強引に押し進めてしまえば
彼の行動を加速させるだけだろう
教師と生徒だからは
彼にはどうでもいい事で
年齢差がどうとかもどうでもいい口ぶりだった
体よく断る事が出来るのか?これは…
私が処罰されて免許をはく奪されるか
場合によっては
彼が停学なり退学の処罰されるかもな
彼がそう言う行動に出ずに
私が処罰を受けることにならずにすむ方法
色んな行動を取った場合を想定しても
彼の将来に泥を塗りかねない様な
そんな結末しか
みくりには想像が出来なくて
断わるのは無理なのか?…なら
受け入れると仮定するとどうだ?
ひとつ…昔 読んだ
年の離れた姉の所有していた
ある少女漫画を思い出して
23歳の高校教師が
18歳の男子高校生と結婚して
秘密の二重生活をする漫画があった
教師と生徒でも夫婦なら正当なのか??
「いや、漫画の話だ…非現実的過ぎる」