第70章 秘密の個人授業　お相手：煉獄杏寿郎　現パロ高校生

「高校生なら高校生らしいだな…、
相応しい相手と男女交際をすべきだろう？
お前のその感情は、一時的な物だ。
そんな物の為に、自分の将来に
泥を塗る様な真似をしてくれるな」

そう考えを改めろとこちらが伝えると
そのこちらの対応も予想通りだったのか
特に気にする様子も慌てる様子もなく

淡々とした口調で杏寿郎が返して来る

「そうですか。非常に模範的な
教育者らしいご意見だ。だが、
俺は単に若い時の苦労を
買ってでもする価値があると…
そう感じて居るだけの事ですが？」

苦労を必要としない煉獄に
苦労する価値があると言われて

これはどうにも…私は　この年若い彼に

口説かれている様に…感じてしまう

「買い被り…だぞ？煉獄。
生憎だが、お前がそこまでする事に
見合う物は、ここには無いぞ？」

「苦労がない物に、
意味も価値も感じないと言えば？
俺には少なくても、そこに価値があります。
それが無いと言うのなら、それは
先生の中での価値の話だ」

はぁーーーっと深いため息を
思い切り目の前の女性につかれてしまって

「普段が学生ばっかりじゃ、年上の
大人が良い様に見えるかも知れん。
だがな、煉獄。良く考えてみろ…いや、
煉獄、お前にそれを聞いても無駄か。
なら、質問を変えよう。お前に
それが利があると言うなら、
私には何の利がある？」

「なら、都合よく用意された相手と
お互いに、何の感情もないままに、
都合がいいからと言うだけの理由で。
ご一緒になられると？」


都合よく用意された相手と

何の感情も無いまま　一緒に…？

学園長からお見合いの話を持ちかけられていた

私がいい歳をしてるのに

身を固める所か　それらしい相手も居ないから

他校の教師だが真面目で堅実な
男性教師と会ってみないかと

そんな話を持ちかけられたのは…丁度

期末試験の前辺りの事で


その話を何故…煉獄が知っているんだ？


「その男に貴方の何が分かると？
年齢的につり合いが取れる？
同業者だから仕事に理解がある？
それだけの事にそれこそ、
何の価値があると？俺には理解も出来ないし、
納得が付く訳もありません」


煉獄の言葉で理解が出来てしまった

彼がそうしてまで　

今　私とここに居る理由が


「悪いが先生、俺はそんな気持ちで
今ここに居る訳じゃありませんので」