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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第69章 なつのおはなし ※裏なし掌編 お相手:色々



しまった 距離…近すぎるッ

慌てて身体を離そうとして
バランスを崩したのを
その逞しい過ぎるまでに逞しい腕に

軽々しく受け止められて横抱きにされてしまう

「…っと、危ねぇ。んな、
木のてっぺんで暴れんなつーの。
枝、折れるんじゃん」

「すっ、すいません。天元様っ
その、私の注意が足りないばかりに。
天元様に、ご迷惑を…。その、
私に触れてはなりません…、私の家は
汚れた家系にありますから…ッ」

汚物を汚物で洗う様な
そんな仕事ばかりして来たからか
あの家は汚いと噂が立つようになっていた

コイツが俺の嫁になる事は
命令すれば従うしかないので
承諾をしたのだろうが

俺との距離を極端に空けたがるのは
小さな里の中で生まれた偏見の所為でしかなくて

「いんや、離さねぇし。
むしろ、こうするわ。お前は俺の嫁な?
んで、ここはもう、里じゃねぇの。
忍としてのお前の能力は買ってる。
頼りにしてんだわ。けど、あの時に
お前がしてた様な仕事はさせねぇ、それは
お前を嫁にした時に言ったじゃん?」

離して欲しいと訴えたのに
逆にその腕に閉じ込められてしまって

「天元…様?しかし…私は…ッ、
私に触れれば、天元様が穢れてしまいます」


みくりの口から 穢れると言う

言葉が出て来て


穢れ であり 汚れ だ


小さな里の中に閉じ込められた
不自由としきたりしかない生活の中で
どこかの家を穢れとして扱う事で

自分達の精神を保つ…そんな狂った生活を

当たり前にしてしまって居たんだ…


「お前に、あんな仕事は二度とさせねぇ」


そう言ってギュッと自分の身に
こちらの身体を押し付ける様にして
宇髄が抱きしめて来て
その手でみくりの背中を擦る

小さな里の中なんだ
歳の近い子供なんて遊び仲間でもあり
好敵手でしかなかった

その遊びの中で 優劣を大人たち付けられて

優れた者を褒め称ええ
出来ぬ者を蔑んで

物心つく前の頃から 洗脳が始まってたんだ

誰よりも自分が優れた存在になりたい
ならなければならないと思わせる為に

その為の努力を遊ぶ間も惜しんで
子供がするのだ 狂ってる


コイツの家が穢れになったのも
大人たちが自分達の都合のいい様にして
理不尽に決めただけの事だ


「それに、お前は…汚れてなんかねぇよ。
俺の言う事が、信じらんねぇ?」
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