第69章 なつのおはなし ※裏なし掌編 お相手:色々
ギュッと炭治郎に握りしめられてしまって
「たっ、炭治郎?」
「大丈夫、今は善逸も伊之助も初めての海で
はしゃいでるから誰もこっち見てないぞ?」
ドキドキと心臓が騒がしい
皆も炭治郎と私が付き合ってるのは知ってるけど
こんな所で手を握って来られ…
ふっと影が降りて来て
炭治郎の顔がすぐ目の前にあって
ドキッとしてしまっていて
まさか 炭治郎 ここで…
「みくり。口付けてもいいか?」
「ええっ、ここでっ?でも、ここ外だしッ
それに、近くに皆が…居るのにッ」
ちゅっと額に口付けを
炭治郎がして来て
触れるだけの一瞬の口付けに
自分の心臓が騒がしくなる
「ねぇ、炭治郎…その…あっち」
そう言って人目の付きにくい岩場の方を
みくりが指さして来て
「でも、いいのか?
その…人目に付きにくい所だと…」
口付けに熱が込もるのを
止められないと言いたげに
そう炭治郎が自分の口元を押さえつつ
こっちに確認を取って来るから
言葉では返事を返さずに
そのまま彼の手を引いて
人目のない岩場の陰に誘導する
「…みくり」
「…ちょっとだけ…ね?
あんまり姿が見えないと探されちゃう…んッ」
この半月は炭治郎は任務に続けて出ていて
蝶屋敷にも戻って来る間も無かったから
今日一緒に海にこうして来れたのも
運が良かったと思ってる
2週間ぶりの彼の口付けに
もっと…と欲張りたい気持ちが
その彼の体温を求めて自分の身体を
無意識に擦り寄せてしまっていて
「…っ、みくり、
今は…ッ、我慢な?後で…」
私の匂いでそれを感じ取ったのか
炭治郎に諭される様に言われてしまって
「でも、我慢するのは炭治郎も…じゃないの?」
彼は褌 一枚だけだから
そこがそうなってるのは…見ても分る
「海で、身体冷やした方が良さそうだ。
よし、貝殻探しはこれぐらいにして
泳ごう!みくり。海に来てるんだ
泳がないと勿体ないぞ!」
そのまま腕を掴まれて
砂浜まで戻ると
波をものともせずにズンズンと
私の腕を掴んで海に入って行く
「炭治郎~!みくりちゃーん、
こっちで、ボールで遊ぼうよ」
ビーチボールを持った善逸が
手を振りながらこっちに言って来て
それから時間を忘れて
ビーチボールで遊んだり泳いだり
小さな魚を見たりして