第69章 なつのおはなし ※裏なし掌編 お相手:色々
俺の思い違い…でなかったら
俺の可愛い彼女は
今 現在進行形で
告白をされている
状況なんじゃないの?これっ
どんな返事を彼女は返すのだろうか?
村田はその様子を物陰から見守っていると
「す、すいません。お気持ちは
その、ありがたいのですが…っ。
私には、お付き合いをしてる方が…
その、おりますので。このお話は
お受けする事はできません。
ごめんなさいっ!!」
みくりがそう言って
その3人に頭を下げていて
「ハァ~、やっぱりかぁ。
あの噂は本当だったんだな」
「ああ、そうだな。みくりちゃんは
霞柱の恋人だって、街を一緒に
歩いてるの見たって聞いたし」
「バッカ。俺は、風柱と一緒に
おはぎ食べてる所、見たって聞いたぜ?」
そう3人の隊士がそれぞれに
別の噂について口にして来て
「え?俺は、
炎柱の恋人だって聞いたんだけど?
この前、炎柱の隊服のボタンの
着け直しを頼んでる所見たって」
3人の視線がみくりに
注がれていて
みくりが違うと言いたげに
自分の前で手をブンブンと振ると
「違いますッ、私の交際相手は
柱の方ではありません…ので」
「なっ、一般隊士なのか?
俺ッ、てっきり柱の誰かと
付き合ってるんだって思ってたからさ。
柱の人が恋人なら勝ち目ないって…
だったら、可能性もあり得るんじゃ?」
どう答えたらいいのかと
オロオロとしている
みくりを見ていると
彼女の恋人は俺だと
あの場に割って入りたくもなるが
俺が彼女の恋人だと前に出て
果たして
あの3人は納得するのか?
お前みたいな地味な奴
みくりちゃんには釣り合わないってなるって
そんな落ちなんじゃ…とかって
「その人は…、とても
心の優しい方です。ご友人の隊士の
お見舞いに来られる方は沢山おられますが。
その方は、一度任務が一緒になった方の
お見舞いにも、しばしば来られておりましたし。
私の事を気に掛けても下さって。
お手伝いを申し出てくださったり」
いや それここに
君に会いに来る口実ってやつじゃん?
手伝いするって言ったのも
君に気のある隊士の中でも
顔も地味で印象に残らないだろうからって
自分の事憶えて貰いたくてしてたんだし?
「答えにくい質問ばかりなさる、
隊士の方を否して下さいましたから」