第68章 7月のある週末の話 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
クインテットでの仕事も無事に終えて
ホテルオークラ臨海に戻った
昨日の部屋とは違う部屋とは聞いていたが
明日はオークラでの
ブライダルフェアの撮影でも
お世話になりますからと
丁度 コロナの陽性が発覚して
キャンセルになった部屋があったらしく
最上階に近い上層階の景色のいい部屋に
ホテル側のご好意でアップグレードして貰えて
今日は土曜日なのだから
週末の同じ部屋でも高くなる
値段設定の日なのに…と
申し訳なく感じながらも
ありがたくそのままホテル側の
ご好意を頂戴する事にした
『クロークにてお預かりしておりました
お荷物の方は、お部屋に運んでおりますので』
「ありがとうございます。
部屋だけでなく荷物まで、
サービスをして頂いて、ありがたい限り」
今夜の部屋は30階のダブルの部屋で
杏寿郎はツインよりも一緒のベットで
寝れる方がいいからダブルがいいと言ってたけど
ハイフロアの客室だから…多分…
普通に宿泊したらいいお値段だろうなぁ
「ハイフロアのデラックスダブルだから
部屋からの夜景もいいだろうな…?」
そう30階へと向かうエレベーターの中で
杏寿郎が妙に艶のある声で
こちらに尋ねて来るから
「ねぇ、もしかして…、杏寿郎。
今日のご褒美…に杏寿郎が
強請りたいものって…その…」
「ん?何の事だ?みくり
俺は君と神南港市の海側の夜景を
部屋から、君と2人でじっくりと
楽しみたいと言ってるだけだが?」
いや だって
何かそのじっくり楽しみたいが
別の意味になってるもんっ
今日泊まる部屋のロックをカードキーで
解除すると杏寿郎がドアを開いていてくれて
部屋の奥の大きな窓の向こうには
一面の百万ドルの夜景が広がって居て
「あの、テラススイートでも思ったが。
この辺りの海側の夜景も捨てたもんじゃないな。
山側からが人気だが、こちらからも悪く無い」
そう杏寿郎がみくりの肩に手を置いて来て
その肩に添えられていた手が肩を掴んで来て
そうだった 杏寿郎…船からスイッチ
入ったままだったから
ホテルに着いたらって言ってたから
杏寿郎的にはもうしてもいいよって
意味になってるんだろうけど
「あ、杏寿郎。お風呂入るよね?
私、お湯張り…して来る…ッ」
「それは、ダメだ…と、言ったら?」