第68章 7月のある週末の話 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
次々に打ちあがる花火を背景に
誓いのキスよりも濃密な口付けを交わす
「…っ、も、杏寿…郎」
「流石に、これ以上は、
ここでは無理だな。さ、みくり。
俺達も、特等席で花火見物と
洒落込まないか?」
多分 こんな風に
クルーズ船の甲板で
ふたりで肩を並べて
夏の空に咲く 花火を見上げれば
洒落た花火見物…には違いは無いが
浴衣では無くて
ウエディングドレスで花火見物なんて
一生に一度も経験出来るか出来ないかも
分からない様なそんな
特別な時間を 杏寿郎が用意してくれていて
「なぁ、みくり」
「ん?何?杏寿郎」
「花火、いいな」
「うん、隣に素敵な
旦那さんが居るからかな?」
「なぁ、みくり」
「ん?今度は何?杏寿郎」
「今夜は、その、君からのサービスを
俺は、…期待しても…いいのだろうか?」
そう 期待に満ちた眼差しで
杏寿郎がご褒美が欲しいと言って来て
「うーん、まぁ、
サービスして貰っちゃったからね。
お応えしない事も無いけど…?」
「本当か?なら…
君に頼みたい事があるんだが」
そう言ってまた杏寿郎が
真剣にしょうも無い様な
えっちなお願いをして来るのかと
構えていると
「皆、花火に夢中な様だし…、
君の方からキスして貰いたいんだが?」
え?
その杏寿郎のお願いは
意外…だったんで
面食らってしまっていた
「ん、まぁ、それ位…なら…」
隣に座っている杏寿郎の頬にちゅっと
キスをすると ちゅ…ちゅ…と
小さな音を立ててキスを滑らせて行く
みくりのキスが杏寿郎の唇に
辿り着いてそのまま食む様にキスを繰り返す
「さっきのキスと…今のキスで、
火が点いてしまいそうだな…俺に」
そうキスの合間に
杏寿郎が漏らすように言って来て
暗がりなのを良い事に
その手がドレスの上からみくりの
太ももの上に添えられて
フリルが重なり過ぎて
その感触も感じられないと思ったのか
「ちょっと、悪い事…でもするか?」
そう意味深な事を杏寿郎がこちらに
尋ねて確認を取って来るから
彼が何をしようとしているのかは
何となくにだが想像がついてしまって
「ダメ…、ここじゃ…ッ、
せめて、ホテル…に帰ってから」
火が点きそう…じゃなくて
もう火…付いちゃってるんじゃ?