第68章 7月のある週末の話 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
今日は休日出勤していて
明日もオークラのブライダルフェアで
撮影があるのだから仕事なのに
何故か代休は月曜日だけの様だし
お休み損しちゃうんじゃないのって
疑問に思ったんだけど
「気が付いた…か?みくり」
杏寿郎がこちらを見て
それからニッと笑って見せて来たので
「だって、おやすみ損しちゃう…」
「損はさせないが?俺に考えがある」
任せて置けと言いたげに
杏寿郎が言って来るから
また勝手にこちらには内緒で
何か考えているのだろうが
杏寿郎がこう言って来る時は
大概私の為に何かを考えてくれている時で
「ならその分は、いつかの
楽しみにしといたらいいて事ね?杏寿郎」
「そう言う事だ、楽しみにして置いてくれ」
そんな話をしながら歩いている内に
クインテットまで戻って来ていて
そのまま船内に通されて
午前中と同じ様に控室に向かうと
今回の回はフェアのプログラムの
順番が急遽変更になったと伝えられて
時間の余裕があるので
変更になった分の内容の説明を受ける
と言っても夜の部の分は
もう船内撮影は終わって居るので
私達は模擬挙式のみだけでいいらしい
支度もそれの時間に
合わせると言う事だったので
早めに来たものの時間が出来てしまったな
もう夕暮れの時間が近付いていて
後1時間ちょっとすれば
船からサンセットが見れそうだった
「ここ部屋の窓から、
サンセットが望めそうだな」
「でも、時間が出来ちゃったね」
みくりが座っている
ソファの隣に杏寿郎が座って
「今日は忙しかったからな、
ちょっとゆっくり過ごすのもいいかもな」
「そうだね、朝から今日は忙しかったから
ちょっとゆっくりしても良いかも?」
トンっと杏寿郎の肩に
みくりが自分の頭を預けて来て
「珍しいな、みくり。
今日は、そんな気分なのか?」
「そうだよ、そんな気分なの。
あ、そうだ、鰻食べ損ねちゃったね。
今日だったよね?確か。土用の丑の日」
土用の丑の日の鰻を食べ損ねたと
みくりが言って来て
そうか 土用の丑の日だったのか今日は
「だが、わざわざ今日、高い鰻を
買って食べなくてもいいんじゃないのか?」
「確かに、今日食べなくても
明日食べても、鰻は鰻なんだけどもさ。
鰻…明日食べる?でも明日も忙しいか…」