第67章 7月のある週末の話 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
エレベーターで6階に着いて
部屋まで戻って来ると
カードキーでロックを解除して
宿泊する和洋室へと戻った
部屋の椅子に杏寿郎を座らせると
「みくり、ベットはツインだが
あっちで寝れば良いんじゃないか?」
そう言って ベットの隣の
和室になっている部分を
杏寿郎が指さして来て
「布団だったら、隣同士に敷けるだろう?」
じぃーーーっとこちらを見て来るから
はぁっと頭を押さえながら
みくりがため息を付いて
「布団…敷けばいいのね?」
「いいのか?」
「いや、毎日一緒に寝てるじゃん。
別のベットに寝ると言う話をしただけで
信じられないって顔されるとは
私だって思ってないって」
みくりが和室の机と座椅子のセットを
隅の方へ寄せると押し入れから
シーツが掛かって居る
布団を2組だしてピッタリと
引っ付けて畳の上に敷いた
「これでいい?杏寿郎。
もっと水飲む?温かいお茶でも淹れようか?」
「お茶…、淹れてくれるのか」
お茶を淹れる用意をしながら
今度は信じられないと言いたげに
みくりが杏寿郎の方を見て来て
「私が、お茶淹れたら悪い訳?」
「いや、そのあれだ、普段は
割と、セルフでって感じだからっ、その」
「それは、杏寿郎がコーヒー
私が淹れるより自分で淹れるって
言ってるからでしょ?
今は自分で出来ないから、
もっと水分取った方が良さそうだし。
そうしようかって、
こっちが聞いてるんだけど?」
そう言いながらも
備え付けのケトルに備え付けの
ミネラルウオーターを入れて沸かすと
そのまま 杏寿郎の方も見ずに
みくりがお風呂場にお湯張りを
しに行ってしまって
「緑茶とほうじ茶あるけど、どっちにする?」
「緑茶…で頼む。
なぁ、みくり、怒ってる…のか?」
「え?それは、危うく知らない人に
お持ち帰りされそうになってたから?
それとも、今夜の方の事?
そもそも、歩けなくなるまで
いい大人が深酒した方の事?」
と自分が怒ってると見えるなら
その原因はと逆に問い返されてしまって
「どれも、耳が痛いんだがな…事実なだけに」
「それとも、何にも出来ないで。
布団も敷かせて、お風呂も用意させて
お茶まで淹れて貰ってる方の事?
ふふっ、べーつに、どれも怒ってないけどね?」