第67章 7月のある週末の話 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「んっ、でも…まだ、外…こんなに
明るいのに…ッ、んんっ」
これ以上は何も言わなくていいとでも
言われて居るかの様に
キスで唇を塞がれてしまって
角度を変えて 繰り返すキスが
急かす様に 熱を帯びたキスになって
「んぅ、ふ…ぁっ、杏寿郎…ぉ…」
「それとも、そう思ってるのは
俺だけだとでも言うのか?
俺の可愛い奥さんは、
今は…そうしたくない?」
今 私がそうしたいと思って居るのかと
杏寿郎が尋ねて来て
一旦 唇から唇が離れて行くと
ツンとその指先が私の唇に触れて来て
「嘘は…、聞き入れないつもりだが?
俺は、君の素直な気持ちが聴きたいんだが?」
こっちが何かにつけて それを
何とも無い感じにするのを
杏寿郎は知ってるから
それを私にさせない様にそ
う先手を打たれてしまって
もう素直な気持ちを言うしか
選択肢が残されて居ない気がして
「杏寿郎…、意地悪じゃない?」
「そうか?
そんなつもりは無かったんだがな…。
なら、いつもよりも一層…優しくしよう。
どうだ、奥さん。それなら良いだろうか?」
ちゅうっと今度は触れるだけの
優しい優しいキスをされてしまって
ちぅ…ちぅと音を立てて
短い触れるだけのキスを繰り返される
「んっ、んんっ、はぁ、んぅ…ぁん」
「君はキスは…、激しくよりも
優しくの方がお好みだったと。
俺は、把握してるんだがな?
違ったか?…どうだ?奥さん」
そう言って囁いて来る声まで優しくて
きゅうううっと胸の奥が締め付けられる
「んはぁ、う…んっ、好きッ…
さっきみたいなの、もっと、して?」
みくりは滅多に
甘えて来ないから
こんな風に鼻に掛る声で
素直に甘えてくれる奥さんは
早々に見られる姿じゃないので
これは俺としては堪能するより他に無いが
「なら、もっとだな?こうか?」
普段の行為に比べれば
このもどかしい 触れるだけのキスを
更に何度も 与えてやれば
深い口付けをしてる訳でもないのに
キュっとみくりが
俺のシャツを掴んで
ほう…と口から熱い吐息を漏らして
潤んで蕩けた目になって来るから
トロン…とした目でこちらを見つめて来る
みくりの瞼にキスを落とした
「ん、はぁ…、はぁ…ッ、杏寿郎」
ギュッとシャツに皺が付きそうな程に
彼女が握り込んで来るから