第67章 7月のある週末の話 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
みくりがYouTubeで
よみぃチャンネルを検索して
この前の透明のグランドピアノを
演奏してる動画を再生する
「そうそう、これ、あのピアノでしょ?
よみぃさん神南港市にもさ
ちょこちょこ、ストリートピアノの
撮影に来てるんだよね」
「運が良ければ、出会えるかもな。
この前の事もあったしな。」
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そうして 7月22日の金曜日になって
午後からは打ち合わせがあるから
一緒に出張扱いになってる
昨日の内にキャリーバックに
荷物は用意して車のトランクには積んである
お昼は 美味しい天丼が待ってるし
でも海鮮にするか有頭エビ天丼にするか
小柱のかき揚げ天丼にするかまだ
心は決まらないままだった
海鮮にするとキスが入るんだよなぁ
キスの天ぷらは美味しいしなぁ
キスとイカと季節の野菜の海鮮天丼
『聞こえていなかったのか?煉獄』
声が小さいから聞こえて無かったけど
呼ばれて居たらしくて
みくりが顔を上げると
そこには冨岡の姿があって
「って、冨岡先輩…?
どうかしましたか?コピーですか?」
「そうじゃない、これ、受け取れ。
遅くなったが、あっちの方に行くと聞いた。
結婚式は出張で顔を出せずすまなかった」
「えっ、あ、はい…ッ。
ありがとうございます、すいません」
お祝いなのかと思ったが
チケットの入った封筒の様だ
「それだけだ」
「あ、はい…どうも」
それにしても 毎回だけど
自分の言いたい事だけ言う人だな
冨岡さん… イケボなんだから
もっと喋ればいいのにな 勿体ないと
そう感じない事も無いけども
みくりは冨岡の後姿を見送った
『煉獄、ちょっといいか?』
そう係長が声を掛けて来て
「はい、何でしょうか?係長」
話があると言われて
デスクじゃなくって部署の中にある
部署内での小会議に使う部屋に
来るように言われて呼び出されてしまった
「煉獄、上から聞いた話なんだがな…。
この前のアクアトピアのあのCM
好評なようでな、アクアトピアへの
問い合わせが結構あったみたいでな」
「CMモデル専属にって言うのなら…、
お断りしたいのですが…?」
「そうか?悪い話じゃないと思うが…なぁ。
ブライダルは今回ので一旦落ち着くし、
今度は、自治体の観光PR動画作成の依頼が
来てるんだがなぁ」