第66章 あるカップルの週末 お相手:不死川実弥 現代パロ
「まだ、人魚で居たい…なぁ…とか」
「人間に戻りたくねぇって言ってんのかァ?
なら、俺が、人魚から人間に
戻してやらねぇでもねぇぜェ?」
童話のお話の人魚姫は
最後には海の泡になって
消えてしまったけど…
「不死川さん……、人魚姫のお話…ッ」
「突然、そっちかよ?
人魚姫の話がどしたァ?俺に
あの話をどうにかしろとか、言うなよ?
それに、お前には、口ちゃんと
付いてるだろーがよ。声も出るだろ?」
ガバッと不死川に
みくりが抱きついて来て
そもそもに物語の中の
存在もしねぇ人魚姫に同情されてもなぁ
ギュウッと自分の腕の中の
みくりを不死川が抱きしめると
「あんなら、言ェ」
「言う?言うって何を?」
「折角、その口付いてんだァ、
だったら、言ぇ。言っとけェ。
お前が、俺にして欲しい事とか、
不満とか全部、言っとけェ、特別だァ。
ちゃんと全部、聞いてやっからよォ」
人魚姫の事 心配してたから?
私の思ってる事 全部言って良いって
それも言うだけじゃなくて
何でも言って良いんだよってだけじゃなくて
聞いてくれるって言ってくれていて
そんな風に 言われちゃったら
嬉しくてどうにかなっちゃいそうだ
「不死川さぁーーーんっ、好きぃ
凄く好きっ、凄く凄くぅ、好きなのぉ~」
よしよしと抱きしめたままで
頭をナデナデしてくれて
「ああ、そうかィ。
そらいい、上等じゃねぇかよ。
俺もだァ、みくり」
ふぅっと耳に不死川の吐息が掛かる
「好きだァ、みくり」
「んっ、…うん…」
「お前の事が、俺ァ、好きだァ」
そう言いながら その舌が
みくりの耳の縁をなぞって来て
「う、ん…、嬉しいの…ですッ」
「言葉じゃ…足んねェ」
好きだと言葉にするだけじゃ
足りないと不死川が言って来て
ドキッと胸が跳ねる
いや そうするのにここに来ておいて
何でドキドキするのやら…だけど
ちゅう…と 不死川の唇が
何度も耳にキスをして来て
「んっ…でもっ、言われたい…のです、
不死川さんに、好きって、言われたい…んんっ」
そう不死川に対して
強請る様にして見つめながら
乞う様にして言えば
いつの間にか身体をベットの上に倒されていて
上から不死川に見下ろされている