第66章 あるカップルの週末 お相手:不死川実弥 現代パロ
「ウエルカムサービス頼むかァ?」
ぼんやりとしながら
不死川がテーブルの上に
ウエルカムサービスの
ちょっとした軽食かスイーツか
ドリンクの中からそれぞれ2品選べるからと
メニュー表を置いて来て
「ゆずシャーベットあるっ」
「お前ッ、さっき、ソフトクリーム
食ったばっかだろうがよ。腹、壊すぞォ?」
「でも、ゆずシャーベットが
食べたいのです…、ダメですか?」
「今日のケーキ、
レモンのレアチーズケーキだぞ?」
「レモンっ、レモンの
レアチーズケーキ??
ブルーベリーじゃなくて、レモンっ」
それにするとみくりが言ったので
「これも、サービスらしいぞォ?
借りっかァ?コスプレ」
ぷうっとみくりが
頬を膨らませると
「怒るな怒るな、そっちじゃねぇよ。
この部屋限定で借りられる
人魚になれるアレだァ」
そう言えば
インスタとかで見た事あるかも?
なりきりマーメイドになれるやつだ
でも そのコスプレは
する…のは無理だから
この 海の中をイメージした部屋で
撮影を楽しむためのオプションなのだろうが
尻尾の色が選べるらしくて
貝殻ぽくなったビキニの上も
一緒にレンタルしてくれるらしい
「でも、いいの…ですか?」
「ま、付き合わねぇでもねぇよ」
部屋のテレビのリモコンから
ホテルの専用ページから
人魚コスの貸し出しの注文をすると
10分もしない内に
部屋まで頼んだ人魚のコスプレセットが届いて
「着替えて来るッのでありますッ」
とそれを持って
ここで着替えるのが恥ずかしいのか
みくりがバスルームの方へ
行ってしまって
着替え終わるのを待って居ると
キィ…とドアが開いて
そこから 顔だけちらっと
こちらに見せて来て
勿体付けてるのかと思って居ると
「不死川さぁーん、大変なのです」
「大変?着替え、手伝うかァ?」
「そうではないのです、着替えは
出来たのです、私は、最大の
欠点を失念して居たのです」
人魚のコスプレの最大の失念??
ドアの所から
助けて欲しいとその目が
不死川に訴えかけて来て
「歩けない…のです。
あの、障害物競走の麻袋みたいにとは
これは借り物ですし、行かないのです」
確かに 尾ヒレが邪魔で
引っ掻かってしまって
転んでしまいそうだぁって
動くに動けず固まってしまって居た