第66章 あるカップルの週末 お相手:不死川実弥 現代パロ
何でもない日に
そんな部屋には行かないと
目の前の不死川は言っておいて
現に今は その何でもない日に
こんな部屋に来て居るのだが
「んなこったぁ、あれだァ…
お前のその頭で考えろォ、
俺は、何も言わねぇかんなァ」
そう言って不死川が
そっぽを向いてしまって
こっちと目を合わそうとしないから
特別な日にしか
こんな部屋には来ないと言う彼が
なんでもない平凡な日に
こんな部屋に来ている理由…
今日と言う日に 意味が無いのなら
意味を持つ…場所が違うって言う事で
きゅっと1歩前を歩いていた
不死川の服をみくりが
握ってクイクイッと引っ張る
「特別?」
「………」
答え合わせを求めたが
不死川からの返事は無くて
「…さぁなぁ?」
そう遅れて返事が返って来て
「私が、行きたいって言ったからとか?
だったりとか、したりとか、しますか?」
「…さぁなぁ?どうだろうなァ?」
そう今度は不死川が
しらばっくれる様なそんな言い方をして来て
「ねぇ、不死川さん」
「んぁ?今度は何だよ?」
「ありがとう…、なのです」
ふっと不死川が口の端の
ほんの少しだけ上げて
「そら、良かったなァ」
「でも、嬉しかったのです。とても。
不死川さんの、気持ちが。
私は、嬉しかったのです。
思っても、いいのですか?不死川さん」
自分が不死川さんにとって
特別な存在なんだって
そう思ってもいいのかな?
ふふふふとみくりが
自分の口元を押さえながら笑っていて
「何、笑ってんだよ?
部屋、入るぞォ?」
ドアの前のライトが点滅して居て
部屋がここなのだと気が付いた
部屋はメゾネットで天井が
すごく高くて
ジェットバスとサウナと
プロジェクターまであるらしい
部屋に入るなり
部屋の探検?をみくりが始めて
「とりあえず、風呂の湯張るかァ?」
「お風呂っ、お湯張りして来るのです」
そう言って いそいそと
みくりがお湯張りをしに
バスルームの方へ向かって行くと
不死川は部屋のソファに座って
バスルームに向かった
みくりが戻るのを待つ
ソファの前のテーブルには
フードメニューやレンタルメニューと
リモコン類が纏めて置いてあって
不死川がテレビのスイッチをONにすると
大型のテレビからはAVが流れる