第66章 あるカップルの週末 お相手:不死川実弥 現代パロ
よしよしと頭を撫でてやると
嬉しそうな顔しゃがってよ
可愛いじゃねぇかよ ちくしょう
俺に頭を撫でられて
嬉しそうな顔をしてる
コイツを見てると
何かにつけて些細な事で
それをしてしまっている自分が居て
「で、何、すんだぁ。
フリーパス買うか?
今日は、金、使ってねぇしな」
「いいの?嬉しいっ。
好きなだけ、乗っていいの?」
そう こんな小さな遊園地に
何をそんなに喜ぶ事があるのかと
思わなくもねぇが
まぁ 本人が
いいつってんならいいけどよ
手首にシールで貼るタイプの
フリーパスを購入して
「フリーパス買ったんだァ、
全制覇すんぞォ」
「はい!お供いたします」
みくりがそう言って
不死川に向けて敬礼して来て
小さなエリアの遊園地の
アトラクションを制覇して行く
「隊長」
「どしたァ?」
「私は、アレに乗りたくあります!」
そう言って指さしたのは
本格的なタイプのゴーカートで
タイヤが積み上げられているコースには
合計4台のカートがあって
その形は小さなF1カーを彷彿させて来る
連れが居たら盛り上がりそうだが
『こんな所で出会うとは、
奇遇だな不死川』
この周囲に響き渡る大声量
他の誰でもない煉獄杏寿郎でしか無いが
『ちょっと、デートの邪魔したら悪いって』
そう悪びれた様子もない杏寿郎を
その妻であるみくりが
ぐいぐいと引っ張っているので
「煉獄さんと、煉獄さんの奥さんっ。
煉獄さん、凄っごいイケメン!
ヤバいっ、素敵過ぎるッ!
奥さんッもっ、近くで見てビックリッ」
みくりが戸惑っている
杏寿郎とみくりの周囲をグルグル
回りながらまじまじと2人を見ていて
「奥さんッ、おっぱい大きいですね?
Fカップですか?」
高速で とんでもない発言をした
みくりの口を不死川が塞いで
ウロウロしない様に腕に閉じ込める
「バカッ、お前は、黙ってろォ」
「そちらは?初めて見る顔だが、
不死川の、恋人…で合っているか?」
じたばたと自分の腕の中で
自己紹介をさせろと言いたげに
みくりが身じろいでいるが
それを無視して不死川が話を始める
みくりとは来年結婚を考えていて
その下見に行っていたのだと
「どうした?みくり。
不死川が男前だから見惚れてたのか?」
「懐かしい感じがして…」