第66章 あるカップルの週末 お相手:不死川実弥 現代パロ
風で乱れる髪を
不死川が適当に手櫛で
ぐしゃぐしゃと戻すが
その仕草にも 彼らしさと
何とも言えない色気を感じてしまって
「あん?どしたァ?」
「ちょっと、おトイレ行って来る」
実際行きたかったけど
何か恥ずかしくなってしまって
みくりがトイレを指差して
そのまま そそくさと向かってしまって
ぽつんとその場に残される
まぁ 自分の行っておくかと
男性用のトイレに向かって
戻ると
みくりの姿を探す
すると 少し離れた所で
2人組の男性と話をしている
みくりを見つけて
随分と親しそうに話していたから
知り合いか何かなのかと
「待ったかァ?みくり。
そっち、知り合いか?」
俺の顔を見て
その2人連れがヒソヒソと
何かを相談してそそくさと
逃げる様に行ってしまって
バイバーイとみくりが
その2人の背中に手を振って居たから
「知り合いか?」
「うーん、知らない人。
晩ご飯奢ってくれるって、言ってた」
ちゃっかり ナンパされてんじゃねぇよ
「んで、何、アイツ等と
話してたんだァ?」
「今は、彼氏さんと一緒だから
行きませんって言っただけだよ?
ご飯ダメだったら、一緒に遊ぼうって」
めっちゃ食い下がって来てるじゃねぇかよ
和やかに談笑してるんじゃ無かったのかよ
「んで?」
「今から、
彼氏さんと遊ぶから無理ですって。
エライ?エライよね?怒らないで
ちゃんと、お断りしたのっ」
見た目がふわふわ系で可愛いから
こんな風にどこかに出かけてても
声を掛けられてる事が多いが
断わり方もちゃんとするのが
いい女だって教えたら
それをキチンと律儀に守る様になって
ズイっとみくりが
不死川の方へ自分の頭を向けて来るから
要するに頭を撫でて褒めろと
そう言っているのだろうが
「不死川さん、褒めてくれる?」
ふっとその言葉に
不死川が口元を緩めて
色々と言いたい事はあった様な
そんな気もしたが
よしよしとみくりの頭を撫でると
「しゃーねぇな、褒めてやるよォ。
いい子いい子、賢い賢い」
「へへへっ、やったぁ。
不死川さんに褒めて貰っちゃった」
また こうして
コイツを甘やかしちまって
後からしまったと思うんだがなァ
「もっとしてして?」
「へいへい、こうかよ」