第66章 あるカップルの週末 お相手:不死川実弥 現代パロ
そう言って感想を語る
みくりの口ぶりからは
このホテルのフェアはかなり
好印象だったのだと分かるから
プチ披露宴形式で食べた
フルコースは贅沢に
水無瀬牛のステーキに
フォアグラとキャビアまで乗っていて
フェアでの撮影の協力込みでも
これを普通に食べたらいい値段するよなぁと
思いつつに 不死川が
食べやすい様にナイフでそれをカットして
口に運んで居ると
ニコニコしているみくりと目が合って
「じろじろ見んなァ、食いにくい」
「不死川さんの食べ方、綺麗だなって」
一見するとぶっきらぼうで
粗野な感じな印象を受けがちな彼だけど
その所作はスマートだ
「見てんじゃねェ、減る」
「ええ~?食べたら減るけど、
見てるだけじゃ減らない…よ~」
「減る、見んなァ」
「ちぇー、つまんないのぉ~。
でも、5つ星のレストランだけあって。
お料理も、間違いないから、きっと
ゲストも喜んでくれるよ。
頼んだら、コースも和食の
懐石にも出来るみたいだよ?」
そう言いながら 貰った資料を流し見る
4万円相当のコースの〆には
ホテルのパティシエの
特製スイーツがついて居て
みくりは大層
ご満悦の様子だった
そのコースの試食を兼ねた
プチ披露宴の後は
ブライダルの相談サロンで個別相談と
扱っているドレスの見学も出来るらしく
今日 成約すると成約特典も付くらしく
かなり豪華な特典だったが
それよりも驚いたのは
今日の見学だけで
来場特典がかなり豪華だった事か
4万円のコースの試食だけでも
俺としては得した気分だったが
ペアの宿泊券 5万円相当と
ディナーチケット 3万円相当の
お土産付と来たもんだ
豪華な冊子を持って
ホテルを後にした後もご機嫌な様子で
花嫁さん綺麗だったね とか
チャペル 素敵だったね とか
リモートでも色々出来そうだね とか
今度はドレスの試着の予約しようね とか
五月蠅い位に話しかけて来るから
「わかったっ、わぁったから
ちょっと、落ち着けっ。
折角ここまで、来たんだァ、
ついでに遊ぶぞォ」
そう言って海沿いの
商業施設の観覧車のある
遊園地の方を指差して来て
「観覧車乗るの?」
「嫌かァ?」
その商業施設を目指して
海風を受けながら歩く
「風が気持ちいい…」
「ああ」