第66章 あるカップルの週末　お相手：不死川実弥　現代パロ

「会場選びもいいがよォ、
お前んちの挨拶、は？来月位でいいのかァ？
丁度、あんだろ？7月の３連休がよ」

「うん、そうですね。
うちの親にその時にって
連絡します、ついでに泊まったりは？
ああ、そのうちにではなくて
どこか、ホテルを予約して」

また　コロナも増えて来てるし
旅行だって言ったら聞こえ悪ィが
結婚の挨拶に嫁の実家に行くなら
社内でも文句でねぇだろうしな

「適当に、選んどけェ。金だっし？」

「ええー？私が選ぶのぉ～？
じゃあ、不死川さんが
破産しそうないい所探しちゃお」

ふふふと笑うみくりを見ると
ふぅーっと小さくため息をついて

「あんなぁ、俺が破産して
お前になんかメリットあっかァ？」

「冗談だよ？でも、お金
掛るのは掛かるし、こっちに
引越ししちゃおうかな？」

「そうしろォ、その方が色々と
面倒もねぇし。わざわざ業者
呼ばなくても、いいだろ？
力余ってそうなの、居っからな」

どうやら　私の引っ越しを
自分の友達に一緒にって
お願いしてくれるみたいだけど

私が把握してる不死川さんの友達は

どうも　力が余ってるの
イメージには合わないんだけどなぁ

確か　伊黒さんと冨岡さんって人

２人共　細いラインのタイプだったけどなぁ


「LINEしとくから、来週？
再来週？どうすんだァ？」

「いや、手続きとかもあるし
退居の、来週はちょっと…ッ」

今日は２０２２年の６月２５日

実家に挨拶にって言ったのは
７月の三連休で

となると　引っ越しは７月の９日って事か

「９日な、LINEする」

もう決めるの早過ぎる
もうLINEしてるし

「でも、お友達迷惑じゃない？
折角のお休みだし」

「適当に礼でも、しときゃあいい。
煉獄ンとこの夫婦も宇髄もな。
ああ、さっきのあの水族館の
CM…あれの、夫婦だァ」

確か　その日は支社の
CMの撮影の手伝いに行くって言ってたけど

披露宴に使う　生い立ちの動画を
彼が家で作業していて
チェックしてくれって言われて

そのチェックをしたから
その２人の経歴は出会った事ないけど

知っている

「アイツには、今度は
幸せになって貰いてぇしな…」

そうどこか遠くを見る様な
そんな目を不死川がしながら
漏らす様に言うと

こちらに疑いの目を
みくりが向けていて

「元カノさんとか？」