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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第65章 2人の小さな七夕を お相手:煉獄杏寿郎 現パロ Rー15


杏寿郎が差し出して来た
何かをみくりが確認すると
ふんわりとその表情が綻ぶ

「好きだろう?線香花火」

「うん、ありがとう、杏寿郎。
ちゃんと、スボ手牡丹の
線香花火にしてくれて」

「確か前に、紙の方よりも
竹の方がいいって言ってただろう?」

細い竹の先に黒い火薬がついている
線香花火 花火セットに組み込まれてる
線香花火は竹のスボ手牡丹じゃなくて
鮮やかな紙の色合いが印象的な
長手牡丹の方の線香花火が
セットになっている事が多く

それを見た みくりが
竹の方がいいと言っていたのを
杏寿郎が記憶していた

「この線香花火の違いは何なんだ?」

「ああ、線香花火?元々
線香花火は関西が発祥で、当時は
竹じゃなくて、米が出来て余る
藁を使ってたんだよ。持つところね。
でも、藁は太さとかにバラツキがあるから。
その内、竹に変わったみたい」

そう言いながらも杏寿郎が
線香花火と一緒に用意してくれた
虫よけの効果のある
バケツ型の蝋燭を
みくりがベランダに置くと

「銀色のヤツのジョッキ缶
洗って干してるのあったから、
お水いれて持って来るね?」

そう言ってキッチンの方にむかって
アサヒ スーパードライの
ジョッキ缶に水を入れて戻って来て

それをベランダのお互いから手の届きやすい
丁度いい位置にみくりが置いた

「よし、じゃあするか?」

みくりの分と
杏寿郎が線香花火を1本
みくりに向けて差し出して来て

蝋燭から線香花火に火を点けると
あの火薬の独特な匂いがして

先端から 赤い火の玉が 丸く
形を作っていく

「この状態をね、蕾って言うんだって」

チチチッ…
独特の耳に心地いい音がして来て
その火の玉から火花が広がって散り始める

「今の、これが、牡丹。
そこから、更に火花が大きく散って
松葉…、そして、最後には余韻を残す様な
静かな火を放射線状に放つようになると」

みくりが

線香花火の火花の移り変わりの段階を

説明して来て

みくりの説明の通りに


盛りとばかりに 勢いよく散っていた火花が

シュッとしたライン状の火花に変わって行く


「この状態の事をね、
散り菊って言うんだってさ」


そう話をしながらも
視線はずっと線香花火に向いていて


「いいもんだな、線香花火も」
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