第65章 2人の小さな七夕を お相手:煉獄杏寿郎 現パロ Rー15
金魚すくいの金魚を沢山…?
あのボールに沢山なんて
金魚が入る状況になるのか?
精々 多くても10匹とか20匹とかか?
「そうするとね、ボールの
縁に沿って金魚がぐるーっと
一列に並んで端っこを求める様にしてね
口を鯉みたいに、パクパクし始めるの。
その頃になったらね、お店のおっちゃんが
金魚が可哀想だから、一旦戻してやってって」
んん?どんな状況だ?それは
俺は金魚すくいをした事はあるが
自分がそんな状況になった事もないし
そんな状況になるまで
大量の金魚をすくってる人は見た事がない
「それで、一旦すくったのをリリースして
また、1から金魚すくうの」
「そんな状況になるには、
金魚を何匹すくえばなるんだ?」
うーんとみくりが
唸り声を上げて
「50匹位…かな?で、
それで逃がして、もう、20匹
位すくったら、終わりにするの」
みくりがそう言って
杏寿郎の方を見ると
杏寿郎が変な顔をしてこちらを見ていて
「それは、1回で…だよな?」
「そうだよ?
1枚のポイが破れるまでだよ。
私が金魚すくいしたら、
1時間ぐらいしてるから。
で、その時の金魚、前に居たでしょ?」
そう言えば 前に祭りで
金魚すくいしなかって言った時
しないって断られたのって
「みくり。
前に祭りに行った時に
金魚すくいしないかって俺が、
言った時に。君が
しないって言ったのは…もしや」
「だって、待たせるの悪いと思ったから」
「そんなに上手いなら、
あるだろう?全国大会、出てみれば
いいんじゃないか?金魚すくいの」
杏寿郎の言葉にみくりが
首を横に振って否定する
「あれは、私のスタイルに合わないよ。
時間制限あるから、速くすくうのを
競う大会だもん、私は速くはすくえないもん」
「だが、今度祭りで金魚すくいがあったら。
君のその腕前を見てみたいがな?」
「そうだね、今年は色々と
海とかプールとかも再開されてるし。
花火大会も再開されるだろうし。
夏祭りも再開されるだろうね」
すっかり泡が消えて
少しぬるくなって来たビールを
みくりが飲んでいると
杏寿郎が声を掛けて来て
「なぁ、奥さん。
ここらで、大人らしいしっぽりとした。
夏の夜の過ごし方でもしないか?」
そう杏寿郎が提案して来て
こちらに何かを差し出して来る