第65章 2人の小さな七夕を お相手:煉獄杏寿郎 現パロ Rー15
杏寿郎がみくりの作った
七夕の飾りの一つを手の取って
その折り紙で出来た提灯を眺める
一枚の折り紙だけで無くて
ちゃんと上下に黒い縁と
中に炎を表す
赤い折り紙を筒にした物が入ってる
「子供が出来たら、
家で七夕するのもいいな」
「嫌でもする事になるよ、子持ちの
友達から聞いたけど、毎年
こども園の七夕祭りで、使うのは。
大きな笹だから、寂しくならない様に
一人〇個って飾り作るノルマあるらしいよ?」
そうリアルな子育ての声を聞いて
みくりが出来上がった飾りに
せっせとこよりを付けていて
「杏寿郎、適当にこれ笹に飾ってよ」
そう言って テーブルの上の
飾りの中のこよりが付けられた分を
手で分けて こちらに寄せて来て
「ああ。これを
あの笹に付ければいいんだな。
これ、どうするんだ?七夕が済んだら」
「七夕の飾りは6日の夜に飾って、
7日の夜までの一夜飾りだからね。
本当は七夕流しって川に流す物だけど。
私の地元は県内でも田舎だからさ。
ひな祭りも端午の節句も旧暦までだから、
七夕も7日から来月の7日までだけどね」
そう言いながらも
残りの飾りにこよりを付けて行って
「君の住んでいたあの辺りは、
七夕もひと月あるのか?」
「まぁ、そうめん食べたりするのは、
普通に7月7日にして。
そのまま、飾りは置いといて、
8月7日に家の裏で燃やすって感じかな?
でもよその家もそんな感じだったから、
あの辺りはそうなのかも?」
杏寿郎が手を出して来たので
その手に残りの飾りを託すと
短冊の入っている袋を
みくりが封を開けて
「杏寿郎は、短冊の色
金色使う?それとも赤がいい?」
袋の中に入っている色とりどりの
短冊を数枚引き出して
みくりがテーブルの上に並べる
「願い事、書くんだろう?」
「短冊だからね」
こちらの何を書いているのか見せたくないのか
自分の手元を隠しながら
みくりが願い事を短冊に書いていて
「何枚書くつもりだ?
織姫とか彦星って書いてるんでも無いだろう?」
「ん、任せた」
そう言って みくりが
杏寿郎に筆ペンを差し出して来たから
俺にそれを書けと言ってるんだろうが
「あ、そうだ、この短冊の色ってさ
好きな色だと思ってたんだけどね。
願い事で色替えるんだってさ。知ってた?」