第64章 例えばこんな結婚式を 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「みくり、そろそろ
お湯張りが出来た頃じゃないか?」
「あ、そうだね、
ちょっとお風呂、見て来るね?」
そう言って それなりに
時間が経っていたので
お湯張りが出来ているかを
みくりがバスルームに確認しに向かって
お風呂に入りながら
その伊勢海老が
海底を大行進する理由についての話を
みくりがするのを適当に聞いて
「凄いんだよ。伊勢海老の大行進。
50~60匹の伊勢海老が
一列に並んで行進するんだから。
壮観な眺めだったよ?で、
一週間寝ずに、50~60キロの距離を
移動するんだってさ。移動中は
無防備だから、天敵のタコに襲われた時に
最後尾から犠牲になって行くんだって」
頭を洗いながらそう
みくりがこちらに話をして来て
「で?その伊勢海老は何の為に
そんな危険な目をしてまで、
長距離を移動するんだ?」
「ああ。それ?それはね
伊勢海老は暖かい海域を求めて
渡り鳥みたいに移動する習性があるんだよ。
産卵する為の場所に移動するとかね」
先に身体だけ流して
湯船の中に居た杏寿郎が
ジェットバスのスイッチを押すと
水面の泡が余計にもこもこと立って来て
「身体は今はいいだろ?みくり」
さっきシャワーはしてるけど
頭と顔だけでいいと言われて
「で、その君が思う事はどうなんだ?」
「え?伊勢海老は美味しいって話?」
「毎度毎度、謎なんだが。
その雑学はどこから仕入れて来るんだ?」
杏寿郎の言葉に
みくりが両手で泡風呂の泡をすくうと
「テレビで昔見た事とか、
読んだ本に書いてあった事とか。
そんなのばっかりだよ?
小学生の時に、歩く国語辞典とか。
雑学女王とか言われてたよ?」
その小学生時代の
あだ名を聞いて
妙に納得が付いてしまったが
「俺は、君と結婚して
良かったと思ってるぞ?」
「何?急に」
「君の話は退屈しないし、
その時期時期の、
美味い物も食べさせてくれるだろう?」
「美味しい物は、
美味しい時に食べないと」
当然と言いたげに言って来て
「一緒に美味い酒も飲めるしな、
それに何より…俺のあっちの
趣向も満たしてくれるからな、君は」
「ちょっと、変態ちっくな趣向の事?」
「そっちも割かし、
一緒に楽しんでくれてるだろ?」
そう言ってフッと杏寿郎が笑って