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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第64章 例えばこんな結婚式を 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ



「一生に一度だけ?どう言う事だ?
雄が死ぬのは、そうなってるんだから
仕方がないとしても。雌はどうするんだ?
また、別の雄と…そうなったりしないのか?」

ううん とみくりが
首を横に振って来て

「しないよ、一生一度だけだもん」

そう言う みくりの目尻に
薄っすらと涙が浮かんでるのが見えて

タコの話だったよな?と
杏寿郎が思って居ると

「タコの雄は、交尾が終わったら
死んじゃうんだけど。雌はね、
岩場に卵を産み付けて、卵が
孵るまでの期間ね、ずーっと
そこから動かずに卵のお世話をするんだよ」

そう言いながら
その場にしゃがみ込んで
床の上に指でタコの形を描いて行く

「卵に付いた、ゴミやカビを
撫でて取り除いてあげたりとかね、
常に綺麗な水が、
その周囲を循環するようにするの。
勿論、卵を狙いに来る別の生き物から
卵を守ったりとかね。
卵が孵るまでの間、餌も食べずに
お世話するんだよ、ずーっとね」

一生に一度しか 交尾をしないと言う事は

その母親のタコは…その後は?


「で、その後は、どうなるんだ?」

「お母さんのタコはね、
自分の赤ちゃんが産まれて来るのを
見届けたら…そのまま死んじゃうから…ッ」


そう言いながら
グズグズと鼻を鳴らしてるから

「とりあえず、ティッシュ要るか?」

「うん、要る」

鼻水をティッシュで拭きながら
みくりがこちらを見て来て

「って、テレビを昔観たんだよ。
あ、そうだ。杏寿郎、タコと言えばさ。
半夏生の話したよね?アクアトピアで。
タコ食べる日のやつ、何にする?
タコ焼きのプレートあったから、
タコ焼きパーティにする?
アヒージョも出来るね、何がいい?」

ツンとみくりの額を
杏寿郎が人差し指で押して来て

そのまま ぐりぐりと指を
額に押し付けられてしまって

「痛いっ、それ、痛いからっ。
なんで、そんな事するのっ」

「君が、俺をしんみりさせて置いて、
台無しにして来るからだろう?
そんな、大事に愛情を掛けて
命がけで育てられたタコを食べるのか?」

ジンジンと痛む
額を両手でみくりが押さえながら

「タコ、じゃあ、食べないの?
カルパッチョは?アボカドと
スライスした玉ねぎと、パプリカと
一緒にカルパッチョにしようよ」

「ああ、そうだな…白ワインがあるならな」
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