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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第16章 夢 現 お相手:冨岡義勇


穏やかな寝息を立てて眠るその姿を
眺めていいと許されているのが
自分だけなのだと思うと

穏やかな温もりが
義勇の胸の奥に広がって行くのを感じて

また その感覚すらも 
愛おしいと感じられて来る

今でこそ 俺の気持ちは
彼女へ向いているのは確かだが

出会った頃はそうではなかった

初めは 彼女が真っすぐに俺に
好意を向けて来るのを拒んでいた
俺には幸せになど なる資格がないのだと

自分が大切な人の
犠牲の上に 生きているだけで

俺なんかが 幸せになるなど

おこがましいとさえ 思っていた

ずっと

そっと 義勇が
みくりの頭を撫でる

艶やかで滑らかな髪の感触が
まるで絹の糸でも撫でているかの様だ

みくりは 俺を許してくれた

俺が俺を許せないのなら

私が義勇を許すからと……言ってくれた


「俺は……、お前に。救われてばかりだな」


みくりの告白からも
俺は何度も逃げていて

そうしている内に
俺の事なんてどうでも良くなって
離れて行ってくれたらとさえ

俺は 考えていて
それでも みくりは俺の事を

諦める様子もなくて


やっと何度目かの
みくりからの告白を
押し切られるような形で
受けれ入れはしたが

その後も 俺は彼女から
口付けを求められては逃げていて

それからも…… 体を繋ぐ事も

望まれて 求められてしまって

俺はどうしたらいいのか分からなくて

みくりには悪い事としたと
今となっては反省してるのだが


そう言えば 前に
私ばっかりが好きみたいだと

今にも泣きそうな顔で
言われた事があったな

自分ばっかりが 俺を求めているようだと

だが 俺は……

俺は そんな風に
俺が求められているのが

堪らなく 嬉しくて
堪らなく 幸せだと感じていたのだが


彼女を俺は 堪らなく 
不安にさせていた様だった


穏やかな寝顔を眺めながら
ふっと義勇が
口元を僅かに緩ませた
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