第64章 例えばこんな結婚式を 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
スルッと杏寿郎の手が
みくりの頬を撫でて来て
みくりの目尻に滲んでいた涙を
そっと指先が掬い取る
「ここにも、雨が降っていた様だな」
ギュッと胸が締め付けられて苦しい
自分の蜜壺の中を埋め尽くす様に
杏寿郎の傘で満たされる
「んっ、杏寿郎…さんッ…はぁ」
「傘が…びしょ濡れになる位には、
良く、…降っている様だが…、な…」
抽送の度に 傘が根元まで
ぐっしょりと濡れそぼっているのだから
俺の傘を濡らすこの雨も
君の雨なのか それとも俺の雨なのか
「んっ、はぁ、…ん、ぁあっん」
お互いの露と雫が混じり
傘で中をかき混ぜると
グチュグチュと卑猥な音を立てて
その 雨音と 彼女の唇の間から漏れる
甘さを帯びた なまめかしい声が混じる
杏寿郎が抽送を加速させれば
雨音と嬌声が入り乱れて混じり
ねっとりと中のヒダが傘に絡みつく
「あの時は…、俺は君に
酷い事をしただろう?」
あの時と言うのはどの時なのだろうか?
生憎に私には
杏寿郎に酷い抱かれ方をした憶えはない
でも 憶えがあるとするのならば
あの 小無瀬島のあの休憩中に
自分が炎柱である彼に言ったあの言葉と
その時の彼との問答が脳裏を過る
「…私…はっ、貴方にッ、
杏寿郎さんにっ、
情けを掛けて頂けるようなッ」
「それは君の大きな勘違いだがな?
俺は君を同情でこうしてる訳じゃない。
君は自分が、俺にこうされるに
足りないとそう思っている様だが…、
それは大きな間違いだ。みくり」
そのまま 杏寿郎の腕に包まれると
唇を求められて重ねられる
グイグイと腰を打ち付けて押し込まれて
「んっ、あぁあんっ、あぁ、
ん、はぁ、あぁ、杏寿郎っ…んんっ」
「みくりっ、…愛してる…君を
今も…は、勿論だが…ッ、ずっと…ッ
昔から、前から…、ずっと…だっ、
俺はそれを…君に伝えたかったッ…」
伝えたかった…?伝えられなかった?
どうして? それは許されてなかったの?
だって 知ってる あの時の私は
ずっと彼が 好きだったんだもの
炎柱 である彼が好きだったのに?
「杏寿郎さんッ…んんっ、
お慕い…ッ、申し上げて…おります…ッ」
そうだよ ずっと そうだった
欠片の中の彼女の感情は
好きって気持ちでいっぱいだったのに
「だからこそに…」