第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
クイクイとみくりが
杏寿郎の袖を引いて来て
「ねぇ、杏寿郎。
杏寿郎の所のご実家とさぁ、
うちの家にもさ、枚数とか
少ないので良いからさ、アルバム
作って贈ろうよ?だって白のドレス
しか知らない訳じゃん?青と今の
ドレスは見てない訳だしさ?どうかな?」
杏寿郎がスマートフォンで
検索した画像を見せて来て
「ここのアプリを使って作る
アルバムの、フルフラットの
継ぎ目のないやつなら、結婚式の
写真として残すのに丁度いいし。
ハードカバーとケースもつけられるぞ?
いいんじゃないか?」
「へぇ、凄いいい感じだね。
ケースとカバーに箔押しで
メッセージとかタイトルも入るんだ。
それに、普通のフォトウエディングの
スタジオでアルバム作るよりも
半額以下で作れるね。お値段も」
と言って
杏寿郎が不思議そうな顔をしていて
「いや、その、ね?式は内々だけって
聞いてたし、フォトウエディングで
アルバム残すのもアリかなって、
ちょっと調べてたんだよね。実はさ」
「他にも画像から、アルバム加工
してくれる所はありそうだからな。
じっくり、探してみるか?」
そう言いながら 順路を戻って行くと
美術館の様になっている
真っ白の廊下のエリアに戻って来る
額縁の様に 小さい水槽が配置されていて
その壁に持たれながら
スマートフォンに画像を残して行く
「そう言えばさ、挙式の時にね。
バージンロード?あったでしょ?」
「どっちかと言うと、鰯街道だったがな」
「言い方ッ!鰯街道って言わないでよッ。
あれに、名前…鰯文字で書かれててさ」
「もうすぐだぞ?鰯街道」
「杏寿郎ッ?」
鰯の大群の大水槽に戻ると
床にハートの鰯が映し出されていて
その 床の鰯の群れが 崩れて
大水槽の前の床に
文字を 描いて行く
「鰯文字か?」
「象形文字みたいに言わないでよ?」
まだ サプライズあったなんて
もう 撮影終わってるのに?
でも 一体…誰が?
鰯が 床に 画いた文字は
”外を見ろ” で
杏寿郎とみくりが
小首を傾げながらお互いの顔を見合わせる
大水槽からは 外は近い
トンネルの通路を抜けて
玄関ホールに行くと
そのまま 自動ドアを抜けて
外に出ると
「みくり、あっち見てみろ!」