第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「これで、入るな。撮るぞ?」
「うん、いいよ?」
カシャとシャッター音がして
「今度は、プレートを指差して撮るか」
そんな事を言いながら
水槽の中のプレートを指差したり
両サイドからその
ハートのプレートにキスをしたり
構図を変えながら 数枚撮って
「今日は、すっかり
撮られる事に慣れてしまって。
セルフ撮影が捗ってしまうな」
「今日は、頑張ったもんね?」
ツンツンと杏寿郎が自分の頬を
空いている方の手で指さして来るから
ここにご褒美のキスが欲しいと
そう強請られてしまったら
当然 こっちも断れない訳で
チュッと頬にキスをすると
カシャと音がしたので
撮られてる気はしてたけど
頬から自分の唇を離して
「ねぇ、これでいい?」
「うーん、足りないなぁ」
そう言いながら 今度は自分の唇を
ツンツンと指で差して来るから
こっちにも ご褒美が欲しいと
そう強請って来るので
「みくり、ダメだろうか?」
「ダメって言いたい所だけど、
今日は、杏寿郎も沢山
頑張ってくれたからなぁ。
仕方ないなぁ~、特別だよ?」
そう言いながら キスを待っている
杏寿郎にキスをすると
数回 シャッター音が聞こえたけど
それから その音もしなくなって
彼の手が腰に回って来て
グッと唇を押し付けられてしまう
「今は…、俺だけの奥さんだろう?」
「元々、杏寿郎の奥さんだよ?」
ちゅ…ぅ…と
唇を食まれながら軽く吸われて
「いいな、そのドレス。
みくり、君に似合ってる…」
杏寿郎が両方の手を
腰の後ろに回して来て
その位置で手を組むと
杏寿郎の腕の中に閉じ込められてしまって
「その、今君が着てる
赤いドレスの事なんだがな…。
この仕事がうちに来た時に、
あっちが出して来た条件にな?」
確か この仕事のモデルの
条件は 実際に挙式を
撮影時にする…って
言うのが条件だったはずだけど
「今日ここで、撮影をしながら
実際の挙式をするカップルって
事だったでしょ?確か」
「綿密に言えば、それだけじゃなくて。
あの、和風のデジタルアートのエリアで映える
このドレスを、着こなせる花嫁さんである事が
前提だったんだ。実は」
そう言えば このドレスを着た時
テラススイートの
ブライダルのスタッフの人の
反応が明らかに違ってた