第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そんな事を冗談なのか
本気なのか分からない様な
そんな口調で杏寿郎が言って来て
「では、奥さん。お手をどうぞ?」
「エスコートもしてくれるの?」
こちらに向けて差し出した手に
みくりが自分の手を重ねて
そのまま 誰も居ない2人だけの
アクアトピアの中を歩く
「ここのHPにあったんだがな、
時間外の貸し切りもしてるらしいぞ?」
水族館の全館貸し切りなんて
相場は幾らぐらいなんだろう?
「それって、幾らほどなの?」
現に今は 30分間
ここを私達で貸し切りの様な物だし
「ああ、知りたいか?
全館貸し切りで、
2時間、200万らしいぞ?」
2時間 200万
って事は 1時間 100万?
「ささっ、30分、50万じゃない??
いいの?大丈夫なの?これ」
「いいんじゃないか?元々、
0時まで撮影で場所を押さえてるし。
営業時間はとっくに終わってるんだぞ?
ちなみに、フォトウエディングだけの
プランだと、30万だぞ?オープン前の
1時間、営業時間後の1時間の
どちらかに限るらしいけどな」
手を繋ぎながら
2人で 館内を歩いて
あの宇宙の様な
球体の水槽のエリアに辿り着く
「まだ、結婚式仕様のまんまだね」
煌めく星の中に ハートが舞い散るのが見えて
「けど、このバージョンは
ブライダル利用時だけの仕様だからな?
普段の時間には見れないぞ?」
「ねぇ、ここってさ。今から
なんだよね?その、結婚式場としての
利用されるのってさ…だから」
ぎゅっと杏寿郎がみくりの
肩を抱いて来て
2人で球体水槽の中に入っている
今日の日付と名前の入った
ハートのプレートを眺める
「そうだ。だから、俺達が
ここで挙式を挙げた、第一号って訳だ」
そっと その球体の水槽に
みくりが手を添えて
「何年後になるか、分からないけどさ。
子供が生まれたら、教えてあげたいな」
「お父さんとお母さんは、ここで
結婚式したんだよ?て話をか。
折角だ、撮るだろう?そのプレートの前で」
あ そっか
これは今日だけなんだし
あの時はバタバタしてて
自分達のスマホでって撮ってなかった
「撮るぞ?」
杏寿郎がスマートフォンのカメラを起動して
インカメラにすると腕を上げて構えるので
その球体の水槽の中にある
ハートのプレートを入る様調整して