第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
カシャカシャと
シャッター音が連続して鳴って
「ご主人、は、目閉じてね?
奥さんは、右手で内緒のポーズして
視線こっち、頂戴。
悪戯する時みたいな顔して?
はい、最高。今の顔いいわ」
言われてる通りにしてるんだけどな
「拗ねて不貞腐れる様な顔も
頂戴?ああ。そう、そんな感じ。
はい、OK,お疲れ様でしたー」
「お疲れさまでしたぁー!」
「お疲れしたぁー!!」
カメラマンのお疲れ様に
続く様に他の撮影スタッフも
順番にお疲れ様コールをしていて
「終わったのか?」
「終わった…みたい。
だって、器材片付け始めたもん」
「撮影お疲れ様でした。
お預かりした物、
こちらの方お返しいたしますね。
そちらの、ドレスの方は、
あの控室に置いて置いて貰えれば。
お疲れ様でした。私達も。終電あるので」
そう言って テラススイートの
スタッフの残って居た2人も
頭を下げて帰って行ってしまって
杏寿郎が手元に戻って来た
自分のスマートフォンで
現在の時刻を確認すると
時刻は23時30分になる前ぐらいで
「後、30分あるな」
スタッフの人達も
皆 撤収したのに
杏寿郎は慌てる様子がなくて
「30分?
ああ、日付が変わるまでって事?」
「でも、まだ、今日が残ってるだろう?」
確かにまだ 今は23日だけど
「ねぇ、杏寿郎、それって…」
「この場所は元々撮影で、0時まで、
場所を押さえてあるからな。
それに、館長さんにもさっき
俺から話して置いたぞ?
ご好意で許可も頂いたからな。
まぁ、職権乱用…でもあるが。
何せ、今日は俺と君の結婚式だからな」
「ご褒美ってコレの事?」
後ろからふんわりと
杏寿郎が抱きしめて来て
「大勢に祝ってもらうのも、
悪く無いんだがな?
これからしないか?みくり。
俺と君だけの結婚式をここで」
「でも、大丈夫なの?
怒られたりしちゃわない?」
そう不安そうに
みくりが問いかけて来て
「一生に一度しか無いんだからな、
結婚式は。何、多少の事は、
多めに見てくれるだろう」
「誓いのキスばっかりの
結婚式は嫌だからね?」
みくりの棘のある
言い方の言葉に
杏寿郎が不満そうにしながら
「ん?俺があんなキスで、
満足するような男じゃない事位
奥さんは知ってるんじゃないのか?」