第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「そう、あれね。
どうしてるかって知ってる?
あの中にね、小さな筒があってね
鰯にしか食べれない
小さなエサが出てるの。
水槽に幾つか、筒があってね?
その音楽に合わせて、エサの出る
場所を、変えてあるんだよ」
「要するに、鰯は
エサ食べてるだけって事か」
そんな 話をしながら
しばらく鰯の前に座っていると
慌てた様子で木崎先輩が
入って来て
「すまんっ、遅れたっ。
急なクレーム対応で遅れた。
ああ、遅刻も遅刻か」
「木崎先輩、来て下さったんですね」
ちょっと休憩したいと
カメラの人に伝えると
「ああ。顔、見た事ある。
煉獄の奥さん、えっと」
「初めまして。同じ職場
ではありますが、いつも
主人がお世話になっております。
煉獄の妻の、みくりです」
「これっ、お祝い
大した額じゃないけど」
「結構です。俺等は先輩から
貰いっぱなしですし、今日だって
参加して貰ってるなら、
受け取るべきですけど」
差し出されたご祝儀は
受け取れないと杏寿郎が言って
「そのお金で、彼女さんと
いつもよりいいレストランで
コースでも頂いて下さい。
後、コレを、お渡ししたくて」
そう言って まだ撮影が
終わってないから
ブーケトスは省略したんだと
思って居たのに
みくりが持っていた
ブーケを木崎の方へ差し出して
「あの、ブーケお渡ししたくて。
取って置いたんです。その、
彼とこうなれるきっかけを下さったのは。
木崎先輩さん…だったので、
杏寿郎さんが先輩を招待したいと
話しておりまして。その時からずっと」
お礼をちゃんと返したいって
そう言えばあの時
みくりが言っていたか
「え?でもお友達とかに
あげなくて良かったの?
俺が貰っちゃっていいの?」
「いいんです。彼女さんに
お渡しして頂ければ。おすそ分けなので。
ああ、ブーケならあるので、大丈夫です」
アクアトピアのスタッフの人が
交換用のブーケを持って来てくれて
押し付ける様にして
木崎先輩にブーケを受け取らせると
新しいブーケを受け取る
「それ、いつ手配したんだ?」
「麻理恵先輩に無理言ってね。
だからいなかったでしょ?」
打ち合わせの合間に
ブーケを調達して来てたのか
確かにあの人なら
式中に居なくても違和感ないし
LINEで連絡も取れるか