第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「俺の両親にも、君のご両親にも
偶には夫婦だけの時間を贈りたくてな」
その後ろ姿を見送って
トンと杏寿郎の身体に
みくりが自分の身体を預けて
「ホント、一言ぐらい、相談して
くれてもいいのに。と言いたいけど。
GJです、旦那さん。褒めてつかわす」
「ははははは、そうか。
褒めて貰えるんだな?
それはありがたき幸せ」
麻理恵は別の件で打ち合わせを
していたらしく ここに居なくて
樹奈は麻理恵を待っていたのだが
みくりと連絡先を改めて交換して
一緒にマスクをしたままの
写真撮影を楽しんでいた
打ち合わせを終えた麻理恵が
樹奈を回収しに来て
ふたりはテラススイートではなくて
オークラに泊まると言っていたので
その2人を見送って
「二人だけになってしまったな」
「終わったぁ~って言いたいけど、
まだ、あるんだよね?」
動画と画像も要るから
大きな一眼レフを持った
カメラマンが合流して
アクアトピアのフォトウエディング用の
撮影が始まったのだが
鰯の大水槽の前で撮影をするらしく
長時間を覚悟しろの意味を
この時知るのだが
何故か私は折り畳み式の
伸縮性のある棒の先に
ちょっとした座面の付いた
どこでも座れる椅子を渡されて
それをスカートの中に仕込む様に言われて
「いいか、みくり。
恨むのは俺じゃないからな」
と杏寿郎が言って来たので
「で、その絵コンテの担当の
名前とか聞いとく?」
「村田だ」
長期戦を覚悟しろと言われたのは
すぐに理解出来た
この照明をある程度絞った
大水槽の前で
私と杏寿郎は何をするかと言うと
カメラに背中を向けたままで
待つのだ
大水槽を見上げて
その村田と言う 絵コンテの担当が
推して来たのが
この鰯が ハートの形になる瞬間だったから
「ねぇ、杏寿郎
これさ、ならなかったらどうなるの?」
「最悪、合成かもな。
でも、無理なら、明日もかもな」
午前様になるかもと言って居たのはそれでか
挙式の時はピンクだったけど
青い 照明に切り替わっていて
「あちこちの水族館で
鰯のダンスってショーみたいな
パフォーマンスしてるでしょ?
音楽に合わせて鰯が泳ぐやつね」
「鰯に音楽に合わせるなんて
そんな能力ないだろう?」