第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
オルゴールのアヴェマリアに
歌声が重なるのが聞こえて
それも 音響からじゃない
生の歌声が
後ろから聞こえて来る
大声量のアヴェマリア…
ガタッとみくりが立ち上がって
その声の元を振り返ると
そこには 樹奈の姿があって
「樹奈ちゃんッ!!」
「へへへ、お姉ちゃんに聞いて
来ちゃった。ごめんね?
突然連絡出来なくなっちゃって。
みくりの連絡先
知ってる子に、繋がらなくてさ」
樹奈が会いたがってるとは
あの麻理恵さんとやらが言ってたが
親しい友人だったのか
「樹奈ちゃ~んッ、会いたかったぁ~。
それっ…。
樹奈ちゃんの所為じゃなくてッ、
前に、私が。
スマホのキャリア変えたから。
でも、麻理恵先輩に樹奈ちゃんの
連絡先聞いていいのかなって…。」
「それっ、お姉ちゃんも
お姉ちゃんなんだってば。
連絡先、教えてくれる所か、
今日の事も、
みくりちゃんの事もさぁ?
あ、言うの忘れてたぁ~って言うんだよ?」
何が何だか分からないが
2人で抱擁を交わしたままで話をしていて
「でも、話したい事は後にするね。
今は、歌わせて?お祝いにね?」
そうだ さっき ちょっと聞いたが
声量がマイク無しであれだけで
音程の安定感が半端ない
素人…では無いのは確かだし
「あれ?あの人、
江藤樹奈じゃない?」
「あのオペラ歌手の?」
「あ、私、テレビで
あの人、見た事があります」
そう会場から囁く声が聞こえて来て
「説明はあるのか?」
杏寿郎がみくりの方を見ると
「樹奈ちゃん?樹奈ちゃんは
プロのオペラ歌手だよ?偶に
テレビに出てるよ。麻理恵先輩は
元々、樹奈ちゃんの衣装を作るのに
デザインを始めたんだよ。既製品じゃ
樹奈の魅力が伝わらないからって」
「君の周囲には、凄い人が多いな」
「樹奈ちゃんは、昔から
歌が上手だったんだよ。歌うのが
大好きだったの。大好きが
仕事になるって、いいよね?」
樹奈の美声に耳を傾けながら
みくりがそう言って来て
ゲストも プロの生歌に
聞き惚れている様だった
披露宴も終わり
ゲストをふたりで玄関で見送った
うちの両親と杏寿郎の両親に
2人の貯金から
テラススイート ハーバーの
部屋を手配したと杏寿郎が言って来て
杏寿郎のご両親も
うちの両親も喜んでたから