第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
ウエディングケーキの入刀後は
お互いに食べさせるのをして
きっとこれは杏寿郎の
希望と言うか陰謀に違いないと
そう感じながらに
わざとらしく 頬にクリームを付けた
杏寿郎の頬のクリームを
口で回収する作業まで
きっちりと務めさせて貰ったが
クリームの付いて無い
私の頬にお返しのキスをされてしまったのは
言うまでもない話なのだが
そんな 複雑な心境の
私の胸中は無視するかの様に
終始和やかに披露宴は
進んで行って
コース形式の料理も
ある程度進んだ頃に
ある事に気が付いた
テーブル同士の間隔は
結構離れてるけど
中央に明らかに スペースがある
それに 分散してるから
見つけられないだけかと思ったけど
見知ってる顔が数人
居ない事に気が付いた
「みくり、どうかしたのか?
まだ、さっきのキスの事を
怒ってるのか?ファーストバイトに
キスなんて、どこでもやってるだろ?」
顔に出ていたのか
隣の杏寿郎がそう声を掛けて来て
「ねぇ、杏寿郎。披露宴も
撮影してるのに、なんか、仕事って
すっかり、忘れちゃってた。私」
「それは、俺もだが。ゲストも
じゃないか?割とみんなカメラあるって
意識してない感じになってるぞ?」
会社の上司の集まってる
テーブルからは
結婚式なんて久しぶりですな
と言う声がちらっと聞こえて
空になったお皿を
スタッフの人が下げに来て
小さく会釈すると
突然に 会場のBGMが
それまでの落ち着いた音楽から
ノリノリのアップテンポのBGMになって
その音楽に合わせる様に
和風だった背景が真っ暗になると
空いていた スペースに
さっき私のお皿を下げに来てくれた
ブライダルスタッフの人が
その 中央に立つと
ライトが集まって
黄色い髪が見えると
その正体が善逸だと気がついて
カクカクとしたバッテリーが切れかけた様な
ロボットダンスを披露する
そのロボットの動きが
壁の一面を指して
そのまま 項垂れて停止すると
それまで 善逸に当たっていた
ライトが消えて
壁面に 動画が映し出される
その景色に見覚えがあって
水嶋さんを始めとする
同じ部署の同僚の姿があって
それがここに今日来れない人からの
ビデオレターだと気付いた
ビデオレターが済んだら
中央にライトが集まって