第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そのまま杏寿郎の手をギュッと
握り返して 手を繋いだままで
前に立って居る 牧師の方を見た
牧師が二人の顔を交互に見つけると
小さく頷いて見せて来て
少し身体を杏寿郎の方へ向けると
「新郎、杏寿郎。 あなたは
みくりを妻とし、
健やかなる時も、病める時も
喜びの時も、悲しみの時も
富める時も、貧しい時も…」
と結婚式のお決まりの誓いの言葉を
杏寿郎に向かって問いかけて行く
「これの全てを覆い尽くす程の、
尽きる事の無い、無限の愛で包んで、
そして、時に敬い 慰め合い、
共に助け合い、その命ある限り
真心を尽くすことを誓いますか?」
その牧師の言葉を聞いて
みくりは ハッとする
只の 愛 じゃなくて
無限の愛…だった
そう 杏寿郎がくれた あの
結婚指輪の メッセージ…
私を 覆い尽くす程の
尽きる事のない無限の愛……
”∞ LOVE” で
ーー「別に…、
おかしくもないだろう?
君から俺への、永遠に続く
不滅の愛に対して、俺からの
無限の愛を贈るんだからな」ーー
そう 杏寿郎が言って居たのを思い出す
「はい、誓います」
牧師からの問いかけに
杏寿郎がそう答えて
牧師が今度はみくりの方を
向き直って来る
「新婦、みくり。 あなたは
杏寿郎を夫とし、
健やかなる時も、病める時も
喜びの時も、悲しみの時も
富める時も、貧しい時も…」
その後に来る言葉は
何となくにだけど想像はついて居る
私から 彼に贈ったのは…
それこそ 只の 愛じゃなくて
「これの全てを永遠に続く、
尽きる事の無い、不滅の愛で包んで、
そして、時に敬い 慰め合い、
共に助け合い、その命ある限り
真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います」
”eternal ♥”
永遠に続く 不滅の愛を
貴方に贈り続ける事を
ここに 誓います
「それでは、指輪の交換を」
そう言って牧師が後方を手で示すと
こちらに向かって
小型のドローンが
飛んで来るのが見えて
そのドローンの下に
見覚えのある赤い箱があって
ホバリングしながら
指輪をドローンが目の前に運んで来て
「ここから指輪を、取ればいいんだな」
杏寿郎もこの演出は
知らなかった様でそう言うと