第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「うん、居るから。
貴方の側に、在らせて下さいずっと」
そう答えて来る彼女の声にも
もう一人の彼女の言葉と
声が重なるのが 俺にも聞き取れて
「そうか…、そうだな」
みくりの言葉に
杏寿郎が満足そうに頷いた
「杏寿郎、お昼どうする?」
みくりの言葉に
杏寿郎がハッと我に返って
「昼飯…そうだな、確か
あっちの方にも飲食店があったな」
さっきまでの頭が痛そうな
様子ももうないみたいで安心した
商業施設から離れた場所にある
小さな地元のお寿司屋さんで
お任せ握りのランチを注文して食べた
「杏寿郎は、月見うどんの方が
良かったんじゃないの?」
「うどん?
うどんがどうかしたのか?
君はうどん、
そんなに好きじゃないだろう?」
自分がうどんの事言って来たのに
記憶が混乱してるみたいだ
「食べたら、薬飲む?
頭、痛いのはもう大丈夫そうなの?」
「何が何なのか、俺にも
分からないんだが、どうにも
今はここが満たされた気分でな。
頭が痛かったのは憶えてるんだが、
もう何とも無いぞ?」
何とも無いの言葉の通りに
ケロッとした顔をしているので
本当にもう何とも無い様だった
打ち合わせは 14時からだったから
昼食を済ませてから
しばらく アクアトピアの
壁のカゲヤマシンキのモニュメントの所で
みくりをその辺の子供に紛れさせて
好きな様にさせて置いた
ベンチに座って
スマートフォンをチェックして居ると
宇髄からの着信があって
相変わらず 人がスマートフォンを
弄ってるのをどこかで見てるのかと
言いたくなるような程
タイミングばっちりだな この人は
「もしもし、はい、煉獄ですが」
『なぁ、煉獄、今さどこ?
何してんの?昼休み中?』
チラッと顔を上げて
数人の子供に隠れ生物の説明をしている
みくりの姿を確認すると
「今は、妻を自由に遊ばせていますが」
『ええっ?お前そんな趣味あったの?
ネトラレ好きだったっけ?お前』
どうやら盛大な勘違いをしているが
訂正するのも面倒だな
「ビデオ通話いいですか?宇髄先輩」
通話を通常からビデオに切り替えると
一緒に遊んでいる子供が入らない様にして
アウトカメラに切り替える
「ね?遊んでたでしょ?」
『てか、こんな平日に何してんの?仕事は?』