第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
白い廊下のエリアの先には
キラキラと白い壁や床に
光が映し出されている空間が
また 細く長く続いていて
天井から吊り下げられた
ライトは一定の間隔で
色が移り変わるらしく
小さな球体の水槽が並ぶエリアは
そのライトの色で
様々な表情を見せて
色味によって受ける印象も違う
「確かに大人向けなイメージだな。
今までの水族館とはベースが違うな」
「見て見て、杏寿郎、
カッコイイよ。凄いよ」
そう言って興味津々に
見て居るのは海藻の様な身体をした
大きなタツノオトシゴの居る水槽で
「タツノオトシゴか…」
「それは、シーホースでしょ?
これは、シードラゴンだよ。
シードラゴンは、ヨウジウオの仲間」
「友達みたいなもんだろ?」
「うん、まぁ見た目似てるもんね。
あっちに赤ちゃんのタツノオトシゴ居たよ?
タツノオトシゴもヨウジウオもだけど、
赤ちゃんを産むのは雄だからね?」
「今は男も、育児休暇を取る時代だが。
最先端なんだな、タツノオトシゴは」
そんな話をしながら 更に奥に
進むと 一面の星の世界が広がって
宇宙空間の様な広い場所に出て
その中央に 鎮座する
大きな球体の水槽があった
「宇宙みたいッ、凄いね」
周囲の円形のスクリーンの映る映像と
ライティングのお陰で
その空間以上の空間が無限に続いてる様に見えて
「ああ。そうだな、これは
高めの入場料払っても損はない感じだ」
「水族館は維持費が高いから、
割とどこも、高めの設定でしょ?」
海の中なのか
それとも宇宙なのか
目の前の光景に圧倒される
しばし肩を並べてその球体の水槽を眺める
「外観はそんなに大きそうには
見えなかったが、こうして
見て回っていると結構
充実してるんだな、アクアトピア」
そう言いながら 2階へと
エスカレーターで移動する
2階は全部 そのチームラボが
手掛けた デジタルアートと
水族館のエリアで
メインとなるのは
日本の四季をそれぞれの
壁面に表現したエリアだ
足元を小川が流れていて
朱塗りの橋が掛り
白い玉砂利の敷かれた上に
ガラスがあって その上を歩く
川が流れ込んで池の様に
足元に鯉が泳ぐ姿が映し出されていて
その鯉が泳ぐ映像が
下の砂利の色が変わったり
泳いでる鯉が 金魚に変わったりする
「杏寿郎、ここ。ずっと見てられそう」