第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「杏寿郎、凄いよ!水が
落ちてるのに昇ってるみたいに見える」
「だから、それはな」
「言われなくても分かってるもんっ、
ライティングで、
そう見せてるだけだって事ぐらいさ」
順路に沿って進もうとして
先に進んで居たみくりが足を止める
「え?これ…、水流れてる床に」
「ああ。あっちのロッカーで
靴預けるみたいだな。とりあえず
濡れないルートで奥に行くか?
この水のトンネルの先は、
子供達で大賑わいだろうからな」
「確かに、水が恋しい季節だもんね
これ位の水深なら、未就学児も安心だね」
濡れない方と言うルートに向かうと
そっちもトンネルの様になって居て
海の中を思わせる映像が映し出されている
そのエリアに足を踏み込んで気付いたが
下には砂浜に押し寄せる波が
自分が足を置いた場所から
その波がぶつかって割れて行くのが見えて
本当に波打ち際を歩いてるみたいだ
「お、カニが居るぞ」
杏寿郎がその映像のカニに
足を近付けると
カサカサと逃げて行く動きもリアルで
波打ち際から海に入って行く様に
トンネルの中を進むと
青い水の世界に 飲み込まれて行く
鮮やかな色とりどりの熱帯魚
イルカの群れと
巨大なジンベイザメが頭上を通って
思わず映像なのだが
口を開いたまま
下からそのお腹を眺めていた
ゆったりと 水中を飛ぶ様に泳ぐ
マンタの姿が見えて
「杏寿郎ッ」
「みくり、ここは通路だからな?
それにここには住めないからな」
「何で先に、言っちゃうのさ。
酷くない?杏寿郎」
フッと影が降りて来て
その巨大な魚にも見えたのは
大量の鰯の群れなのだと気が付いた
キラキラと銀色に輝く
鰯の群れの中に
取り込まれてしまって
そのまま 元の世界に戻って来ると
目の前には 大きな大水槽があって
高さは7メートルほどある
控え目なサイズの大水槽には
先程の映像の中と同じ
鰯の大群が泳いでいる
その大水槽の奥の通路には
真っ白な壁が額縁の様に切り取られて
絵画の様に 生き物を展示しているコーナーへと
続いている様だった
「メインの水槽だが、例の
球体水槽はもっと奥だし、もう一つの
チームラボの本気のエリアは上みたいだな」
そう入口で貰った
パンフレットを見ながら杏寿郎が言って来て