第63章 例えばこんな結婚式を 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そのまま 5分程歩いて
アクアトピアに着いたのだが
コンクリートの壁に周囲を
城壁か何かの様にぐるっと
取り囲まれている外観からは
水族館らしさはなくて
3階建ての屋上から
青いワイヤーで
水を流して零した様な
そんな 土台の部分から
ワイヤーだけで 縁取って
形を作られている 色々な
海の生き物達のシルエットが
その 上から流れ落ちる水の中に
表現されていて
シルエットでしか無いのに
その生き物が何なのかが分かる
みくりがその中の一つを指差して
「ペンギンいるよ?あそこ」
『ママ~、イルカさんが居る~』
そう言ってアクアトピアに向かう
親子連れが 同じ様に
そのカゲヤマシンキの作品を指して
言っていたので
みくりが小さくなってしまったのだが
「近くに行ってみるか?」
そのワイヤーで表現されている水の中に
「ここは、あの場所からは見えないが」
「イソギンチャクと、カクレクマノミだ」
その魚の習性も作品の中に
表現されている様で
ワイヤーで出来た岩場の影に
イソギンチャクとクマノミの姿を見つけて
それをしばらく見ていて
「あ、これ、海の深さと高さで
居る魚を変えてあるのかな?
ホラあれ、リュウグウノツカイでしょ?
リュウグウノツカイは深海魚だもの」
地面のすれすれに居る
ワイヤーのリュウグウノツカイを指差して
杏寿郎がそれを見ていると
「ねぇ、杏寿郎あれ、
地面のギリギリの所にある
あの、白いワイヤーの筒みたいなやつ」
青いワイヤーの中に白い細いワイヤーで
繊細に編まれた筒状の物がひっそりと
あるのが見えて
「何だ?海藻か?」
ううんとみくりが首を横に振ると
「あれだよ、杏寿郎。
カイロウドウケツ。多分だけど
赤いのが中に見えるから、エビも居るみたい。
カゲヤマシンキは海の生き物好きだからね。
モチーフにしてる作品も沢山あるよ」
「後、カゲヤマシンキは
隠すのが好きだからな。確か
あっちの方にもあっただろう?
大きな木みたいなのがっと、入口で
足止めされてたな、入るか」
生き物をその中に探して居る内に
オープンしていた様で
オープンして10分ほどしてから
アクアトピアの中に入った
までは良かったが
入口に入ってすぐの
水の大きなカーテンの前で
みくりが止まっていて