第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
コロナの所為で随分と
生活が変わってしまって
それまでの 当たり前が
当たり前じゃなくなってしまって
旅行も温泉も 外食も
何もかも 気を遣うし
自由に楽しめなくなって
結婚式も最初から
普通の結婚式は無理だなって
そう思ってしまってた
どうせできないからって
諦めて決めつけてた
でも それは結婚式だけじゃなくて
旅行だってそうだった
でも 杏寿郎は
その制限だらけになった生活の中で
その中で出来る事 いつも見つけて来てくれて
新婚旅行にも連れて行ってくれたしね
ふふふとみくりが笑い出して
「どうしたんだ?みくり」
「やっぱり、杏寿郎はさ。
最高の旦那さんだなぁって思ってただけ。
全然、意見聞いてくれないし、相談も
せずに勝手に決めて来ちゃうけどさ」
「そっ、それは、俺も悪いとは
思ってるんだがな?だが、その…」
「サプライズ?」
そう杏寿郎に尋ねると
気恥ずかしそうにしながら
杏寿郎がわざとらしく
身体ごとそっぽを向いてしまって
「んん、ああ、まぁ、そんな…所だが」
「そっか、じゃあ、聞かないでおくね?」
フッと杏寿郎が笑って
「俺は、君のそう言う所、好きだがな」
「だったら、似た者夫婦だよ。
だって、私も、
杏寿郎のそう言う所がさ、好きだもん」
ふふふとみくりが
笑いながら 自分のつま先とつま先を
ツンツンとぶつけて合わせる
「入籍した時は、
そんなに自覚なかったんだがな」
「杏寿郎が、緊張するって珍しい」
車で40分の臨海地区までの移動は
話をしながらだと割とすぐで
「ねぇ、もし、転勤するんだったらさ。
中央区の方の本社だよね?
それとも、大阪とか東京?」
「転勤になるかも、謎だしな。
そもそも、この一連のプロジェクトが
成功したら、の話でもあるしな」
「車はどこに停めるの?
あの辺りは歩いて移動しても知れてるけど」
目的地が近くなってみくりが
杏寿郎に確認すると
テラススイート ハーバーに
今日と明日は泊るからと言われて
車はそこに2日置くと言っていた
臨海地区のランドマークでもある
テラススイートハーバーの
地下の駐車場に車を停めて
「荷物は、今日は終わるのが
遅くなるから預かって貰う様に
話をしてあるから、預けて置くだろう?」